相撲は朝鮮でも人気が高い大衆スポーツだが、ルールは異なる。
朝鮮相撲は、シルムと呼ばれる。
シルムは、二人が脚に挟んだサッパと腰に結んだ帯を互いに取って倒すのを競う。その形式と方法は歴史の中で変化、発展してきた。
シルムの最大の特徴はサッパを使用することだ。
そのため、手技、足技、体技で分けられるシルムの技術をうまく活用すれば、重量級の相手も圧勝できるというのがシルムの魅力だ。
競技の勝負は、足首上部のどの部位が地面に触れても負けたものと決めた。
高句麗(B.C.277年―A.D.668年)時代の古墳壁画には、二人の大柄な男がサッパを取って勝負を競う場面が描かれている。
これは朝鮮でシルムが三国(高句麗、百済、新羅)時代に大衆化されていたことを示すものだ。
李朝末期の書、東国歳時記などによると、人々は労働の休み時間に畑の端や芝生、川辺や海辺の砂場でシルムをよく行った。
祝日の時にはシルム場で子どもから老人に至るまで勝負を争いながら身心を鍛えたという。
李朝時代の有名な画家であった金弘道の絵画「シルム」にも、村の人々が一堂に会して行う場面が描かれている。
こんにち、シルムは朝鮮国内のスポーツ大会で重要な競技種目になっている。
シルムは、2018年11月、ユネスコ(国連教育科学文化機関)の世界無形文化財に登録された。