エヴァンゲリオンの使徒降臨か 次々と姿を変える〝謎物体〟にUFOマニア騒然

天使(上)かと思ったら、次は不気味な飛行物体(下)に…(ユーチューブチャンネル「ナトゥァクルチュアTV」から)

次々と形を変えるナゾの浮遊物体を捉えた仰天映像が、UFOマニアのSNSや超常現象サイトで拡散している。旅客機の搭乗客が窓越しにデジカメで動画撮影したもので、海外では人気ワイドショーでも取り上げられたほど。その正体をめぐっては、形を変えるUFO説、変幻自在の生命体説などが取り沙汰され、中には「天使の降臨だ」「新世紀エヴァンゲリオンだ」という声まで上がっている。

7分40秒の映像は、青空に浮遊する白く平べったい物体が、上下に膨らみ箱型になるところから始まる。すると今度は左右に広がり、紙飛行機のように平らになったと思ったら、物体の周りから半透明ののれんのようなものが垂れて下に延びはじめ、縦長型に。そのまま上下にグングン伸びていき、上部の光る部分が二股になって伸び、細長いY字型になる。

30秒ほどその形を維持した後、今度はまた縮まって丸みを帯び、カマキリの卵のような形に。続いて発光する鳥、空洞がある宇宙船のような形を経て、円盤型になる。そして雪の結晶のような形に広がった後は、フレーム以外が透けたいびつな箱型になったり、丸みを帯びた形になっていく。最終形は当初の形と似ても似つかない。

UFOなど奇妙な映像専門のユーチューブチャンネル「ディスクローズ・スクリーン」が、今夏にこの映像を投稿した。するとUFOマニアのSNSやサイトなどで瞬く間に拡散。カナダの人気ワイドショー「ブレックファスト・テレビジョン」も取り上げた。

その映像はもともと、ドイツの「ナトゥアクルチュア(自然文化)TV」という自然界の不思議を紹介するユーチューブチャンネルが、2018年6月10日に投稿したものだった。「ビックリ!ニコンP900で飛行機から撮ったUFO?」のタイトルで、「一体何なのか本当に説明できないが、それは飛行機の外にあった!」と主張している。

この映像が最初に投稿された3年前は、非英語圏だからか「おそらく宇宙ゴミ?」というドイツ語のコメントがついた程度で、さほど盛り上がらなかった。

ところが今夏に転載、拡散されて以降、世界中のUFO関連サイトのコメント欄では、その正体をめぐる議論がヒートアップしている。

「3層構造になっている飛行機の窓の隙間にある水滴か氷の結晶」「いろんな角度から撮影された、窓の小さな亀裂」「飛行機内の光の反射」などの懐疑的な意見。一方、大気中に浮かぶ何かだと信じてやまない人々の意見もさまざま。「軍用ドローン」「一部の宇宙機器からはがれた、薄い軽量メッシュか断熱材。太陽で十分加熱された場合、それは地球に落ちる前しばらくの間、大気中に浮かぶかもしれない」との推測も。また、「宇宙船より生命体と考えるほうが説得力がある」「時空の連続体の裂け目だ」といった壮大な見解もある。

形を変幻自在に変える生命体を「シェイプシフター」と呼ぶ。最初の縦長型の時は、まるでベールをまとった聖母マリアのようだ。その後、細長いY字型になったときも神々しく、「天使が飛び回ってるんだ」「エネルギーが天使になった」と、天使に例える声が続出。また日本の人気アニメと絡め「新世紀エヴァンゲリオンだ!」といったコメントまである。情報量が少なく、正体は謎のままだ。

【シェイプシフターとは】シェイプシフターは形を変幻自在に変える生命体だが、人間に化けているエイリアンを指す言葉でもある。UFOマニアは「『シェイプシフター=変幻自在レプティリアン』です。この爬虫類型エイリアンが宇宙のトップに立っており、各惑星の権力者になりすまし、それぞれの星を支配しているという説がUFOマニア界で有力視されている」と語る。そのため、各国政治家、大企業のCEO、ハリウッドスターなどの芸能人らの一部について、「本当はシェイプシフター=レプティリアンだ」とささやかれることがある。

かつてロシアのプーチン大統領はエリザベス女王について「彼女はレプティリアンだ。目の前で変化するのを見てしまった」と側近に話したというニュースが報じられたこともある。

ヒラリー・クリントン氏が米大統領選に出た際、ネット上では「ヒラリーはシェイプシフターだ」として、ヒラリー氏の目や舌が爬虫類のようになった瞬間を検証する動画が執拗にアップされたこともある。今回はそのシェイプシフターが空中でとらえられた貴重な場面だろう。

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