半世紀の節目祝った山口市民会館  600人が参加し、10月9日に記念式典・公演

▲フィナーレでは出演者が息の合った舞台を披露

 山口市民会館(山口市中央2)が8月に開館50周年を迎え、10月9日に記念式典・公演が開催された。   

 午前10時の開会とともに、600人が集まった大ホールにはスライドが映し出され、1971年の開館当時から現在に至るまでの歴史が、写真と映像で紹介。続いて、山口市立大内中学校合唱部の生徒が「ふるさとの風―山口市民の歌」を合唱してオープニングを飾った。    

 式典ではまず、渡辺純忠山口市長が、50周年を迎えたことへの感謝とともに「山口市民会館の役割は、地域の文化芸術活動を支え育てていくことで、その方向性はこれまでも今後も不変。そして、それら文化芸術活動を、地域振興や産業振興などの分野へも横断的に展開していき、『創造文化都市山口』の街づくりへとつなげたい」と主催者挨拶。続いて、村岡嗣政山口県知事(三坂啓司県観光スポーツ文化部長代読)と伊藤斉山口市議会議長が、祝辞を述べた。    

 次に、「長年にわたり同館を拠点に文化・芸術活動に取り組み、地域の文化振興に尽力した」として、山口文化協会の松原清会長に感謝状が贈呈。さらに、2012年に活動を終えるまでの約40年間、「優れた芸術文化事業を広く市民に公開する」目的で、同館を舞台に活動を続けた「やまぐち市民文化の会」へ、参加者全員が拍手を送った。    

 式典終了後にも記念公演。山口市内に拠点を置く文化・芸術5団体によるコラボレーション公演「山口市民会館とともに…そして未来へ」が繰り広げられた。長年同館で定期演奏会を開催してきた山口大学管弦楽団65人がモデスト・ムソルグスキー作曲の組曲「展覧会の絵」を演奏。加藤舞踊学院、スタジオF、リル・レイ・ダンススタジオ、彩バレエスタジオの洋舞4団体が、個性豊かな踊りと演出で各曲の世界観を披露した。フィナーレは「キエフの大門」の曲に合わせて全員が舞台に立ち、壮観な舞台を作り上げた。    

 同館のエントランスホール、外階段には、市内の華道団体(華道家元池坊山口西京支部・草月流山口会・茶華道柴山流山口支部・小原流山口支部・専心池坊山口部会・専正池坊山口周防支部)によるお祝いの生け花が並び、開館時の市報などのパネルや、同館をコンサートや公演で訪れた著名人のサイン色紙なども展示された。    

 当日の来場者には「開館50周年記念誌」も配られた。同誌には、市民から寄せられたエピソード60編と写真40枚などが収録されている。    

 50周年を迎え、西村平同館館長は「今後は、ワークショップなどを充実させたい。また、現在は営業していないレストランや中庭での事業も検討している。さらに記念事業は2022年3月まで続き、ニューイヤー・コンサートなどさまざまな企画を用意している。50周年と未来に向けて皆さんと祝いたい」と語った。

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