サムスンが米政府に半導体情報を提出準備か 韓国当局者が明かす「企業が検討し準備中」

サムスン電子など韓国半導体企業が米政府から機密情報の提出を求められていた問題で、韓国政府はこれらが提出される方向であると明らかにした。機密情報がライバル企業に漏れた場合は「死活問題」になるため韓国では大きな懸念が出ていた。

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ムン・スンウク韓国産業省(産業通商資源部)長官は20日、国会で開かれた産業通商資源中小ベンチャー企業委員会の国政監査において、オム・テヨン議員(国民の力)の質疑に対し、「韓国企業が契約上の守秘条項と国内法に抵触しない範囲で提供することができる資料を検討した後に、米国に提出する準備をしていると聞いている」と答えた。

ムン長官は続けて、「今後、韓国産業に負担になる資料を要求する状況が続く場合、政府からさらに積極的に対応する」と強調した。

ムン長官は「半導体両社(サムスン・SK)のCEOらと対面懇談会をするなど、韓国企業と引き続き情報を共有し、多角的な方向から米国側に懸念を伝えている」とし、「韓国の半導体産業に不当な負担が発生しないように最善を尽くす」と付け加えた。

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チョ・ジョンフン議員(時代転換党)は、ヨ・ハング通商交渉本部長に対し、キャサリン・タイ米国通商代表部(USTR)代表との半導体関連の面談内容を具体的に明らかすることを要求した。先立って、ヨ本部長は、機密情報提供への懸念を米USTRに伝えると言明していた。

これについてヨ本部長は「二度会って長時間緊密に協議し、30分以上行った対外秘交渉もあった」とし「米国政府も韓国政府が懸念する点を認知している」と述べた。

ヨ本部長は、タイ米代表に「不当な要求」という表現を用いたのかというチョ議員の追加質問に対しては、「そのような表現を使って政府の懸念を正確に伝達した」と答えた。

ヨ本部長は「今年5月の韓米首脳会談以降、両国間の局長級の半導体サプライチェーン協議チャンネルを構築している」とし「早いうちにチャンネル稼働を再開し、韓国側の懸念を引き続き伝達する」と述べた。

チョ議員は、「米国が要求資料を提出しなければ国有化する方法を適用する(強制収集する)と話している」と強調し懸念をしました。これに対してムン長官は「懸念される状況にならないようにしたい」と答えた。

イ・ソンマン議員(共に民主党=与党)は「中国と緊密な関係を持つサムスン電子や台湾TSMCの顧客・技術関連の敏感な情報が米国に行けば、中国の状況をそのまま知ることができるだろう」とし「今回の米国の不当な資料要求は始まりに過ぎない。今後バッテリーにまで波及する可能性がある」と警告した。

ムン長官はこれに対し、「半導体をはじめとする重要な技術、サプライチェーンのための米国の政策変化を実感している」とし「このような変化の中で優位性を維持するためには、韓国だけが持つ技術と供給能力、核心人材管理・育成はもちろん、同盟国間の協力を通じたウィンウィンも重要であるため、すべての部分を総合して対応したい」と語った。

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