韓国軍の兵器部品国産化、失敗が相次ぐ 「技術力が低い」「海外部品のコピー概念が強い」

韓国軍は近年、主要兵器に適用される輸入部品を国産(韓国)製品に置き換えるため国産化開発支援事業を行ってきたが、その成果が極めて低いことが分かった。韓国企業が長期間をかけて国産化に成功しても、パフォーマンスレベルが低かったり、発注量が少なかったりするなどの理由で売上にも結び付いていないという。

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韓国国会の国防委員会に所属するキ・ドンミン議員(与党)が韓国防衛事業庁から提出された国産化開発支援事業の現状資料によると、防衛事業庁は2010年から2021年までに核心部品の国産化開発支援として、全120件の課題に1,762億4千5百万ウォン(約172億円)を支援してきたが、成功課題は34件にとどまり、売上に結び付いた課題は11件に過ぎないことが分かった。

同じ期間に国産化開発に失敗した課題は29件、事業がキャンセルされた課題は10件に上った。

失敗・キャンセルの理由としては、「技術力の不足」、「主要なパフォーマンスに不満」、「課題の重複」などであることが確認された。特に、事業終了期間が来年以降の開発支援の課題のうち3件は、開発に着手する前の「経営状態の悪化」、「見本品の確保制限」などの理由でキャンセルされたことが分かった。

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特に、韓国初の国産機動ヘリ「スリオン」の開発には8件の課題が選定されたが、そのうち7件は部品の国産化に失敗した。また、陸軍の核心戦力となる国産武装ヘリコプター「LAH」の開発課題3件のうち2件は開発期間が終了する前にメーカーの「経営状態」などで課題自体がキャンセルされたことが確認された。

また、核心部品の国産化開発に成功しても、現在運用中の武器体系に納品された数量は、非常に少ないことが分かった。国産化開発に成功した34件の課題のうち、11件のみが実際の納品に結び付き、正式な調達段階にまで至ったのはわずか2件に過ぎなかった。

韓国軍の核心部品国産化対象は、海外からの需給が不安定な部品が多数を占めているが、すでに国産化に失敗した課題もあり、再推進が難しい状況であるようだ。韓国空軍の戦闘機の冷却システムコンポーネントであるALQ-200機器に入る部品は、2015年に技術力の不足を理由に失敗した。

核心部品の国産化事業を主管する防衛事業庁傘下の国防技術振興研究所は事業の限界と問題点について次のように述べている。

第一に、海外部品の製造中止や海外サプライヤーの倒産などで需給が厳しくなれば国産化を推進しているが、そうなると、先進製品のCopy概念が強くなり、知的財産権を侵害する恐れがあるため開発そのものが難しくなる。

第二に、国産部品の適用段階が兵器システムの後継量産または運用維持段階に制限されるため、納品数量が少なく、企業の立場では投資額に比べ事業性が低い。そのため開発を忌避現象が発生する。

第三に、すでに兵器システムに適用され運営されている部品を再開発するという概念であるため、海外の最新部品に比べて性能が低下する。

第四に、部品の性能実証のための試験費用が過剰に発生している。

キ・ドンミン議員はこのような問題を解決するため、「開発された部品が兵器システムの開発と量産義務に適用される必要がある」とし、そうすることで「メーカーが生産量の確保で部品の価格競争力を向上させることができる」と語った。

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