常勝軍団を支え続けた“打撃職人” 長谷川勇也、鷹一筋15年の現役生活を振り返る

ソフトバンク・長谷川勇也【写真:藤浦一都】

2013年は年間198安打を放ち、打率.341で“2冠”に輝いた

ソフトバンクの長谷川勇也外野手が10月8日、今季限りでの現役引退を表明した。ホークス一筋15年間のキャリアで6度のリーグ優勝、7度の日本一を経験。チームが常勝軍団へ成長していく過程を支えた長谷川の貢献は、決して語り落とせるものではない。今回は卓越した打撃技術と高い守備力を兼ね備えた長谷川の活躍を振り返る。

長谷川は酒田南高から専大を経て2006年大学生・社会人ドラフト5巡目でソフトバンクに入団。3年目の2009年に143試合に出場し、打率.312、OPS.814をマーク。この年から6年連続120試合以上に出場し、主力としてチームを支えた。特に2013年はシーズン200安打の可能性を残すペースで安打を量産。最終的には198安打に終わったものの、打率.341を記録し、首位打者、最多安打の2冠に加え外野手部門のベストナインにも輝いた。

2014年も打率.300をマークしてリーグ優勝に貢献したが、この年に負った右足の怪我が慢性化したことにより、以降はフル出場が難しい状態に。それでも、代打や要所でのスタメン起用では持ち前の高い打撃技術を活かし、2019年には35歳にしてOPS1.012を記録した。

今年も開幕から代打や指名打者として活躍し、5月終了時点では打率.350と好調だった。しかし、故障の影響もあって6月以降は調子を落とし、7月は打率.143に。8月は打率.250とやや持ち直したものの、9月は8打数無安打。それでも年間OPSは.804と優れた水準だったが、右足の状態を理由に引退を決断した。

長谷川は通算出塁率.365を記録した優れた選球眼も持ち味。打撃だけでなく、俊足と強肩を活かした外野守備でもたびたびチームを救ってきた。レギュラーとしてもスーパーサブとしてもベストを尽くし、常勝軍団を支え続けた打撃職人。鮮やかな数多のプレーと、チームに対する貢献度の高さはホークスファンの心の中に残り続けることだろう。(「パ・リーグ インサイト」望月遼太)

(記事提供:パ・リーグ インサイト)

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