〈上越市長選〉「3テーマわたしの視点㊤」新型コロナウイルス対応 入江誠治さん(新潟労災病院長、66) 指定方式の接種評価 若年層への啓発活動を 

 上越市長選が24日に告示される。投開票日は31日。村山秀幸市長が今期限りでの退任を示す中で、新人2氏が立候補を表明し活動を展開、前哨戦も大詰めとなっている。本紙は「新型コロナ対応」「地域経済」「住民自治」の3テーマについて、各分野の有識者から地方自治体が取るべき対応、方策などについて見解を聞いた。

 新型コロナウイルス感染症のワクチン集団接種に際し、上越市が採用した会場や日時を指定する方式について「混乱軽減につながり、有効に機能した」と評価する。2回目の接種を終えた市民を対象としたブースター接種(3回目)においてもこれを踏襲し、「安全な接種を期待する」と話す。

 10~20代の若年層に正しい情報が周知されていないことを懸念。「若者はSNSから情報を得ている。行政もこれを活用した啓発活動が必要」と話し、総合的な感染予防対策、ワクチン接種の重要性・安全性や有効性、リスク(危険性)・ベネフィット(利益、恩恵)に関する正確な情報などの発信を要望する。

 新潟労災病院では今月からコロナ後遺症外来を開設し、入江病院長が担当医を務めている。問い合わせに応える過程で、軽症で済んだために感染の自覚がなく、受診などをしない「隠れコロナ患者」の可能性を感じたという。「新規感染者ばかりでなく、治癒した人や後遺症の実態も調査し、適切な対応、情報の周知が必要」と説く。

 患者の感染「中」と「後」のケアを行うため、急性期治療・後遺症治療体制の充実を求める。急性期については中等症患者への対応強化(酸素ステーションなど)、自宅療養患者に対する生活物資の配給などを、後遺症については相談窓口の開設や就学・就労支援体制の拡充、後遺症(慢性疲労症候群など)に対する産業保健活動などを推進し、「患者に援助の手を差し伸べていただきたい」と訴えた。

〈両立候補予定者の公約〉

中川幹太氏

・緊急時に病気の子どもを代理人が病院に連れていける制度創設

・予防医療、予防介護の先進企業を上越妙高駅周辺に誘致

・特定健康診断の受診率を上げ、介護保険料や健康保険料を安くする

野澤 朗氏

・「上越方式」によるワクチン接種希望者への確実な接種

・唾液採取式の市販キットの配布などによる自主的なPCR検査支援

・小中学校の教室内の換気機能向上や手洗い所の自動水栓化など整備

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