岡本和2年連続2冠王に暗雲 巨人に迫る15年ぶり「無冠危機」の真実味

2年連続2冠王の快挙に期待(東スポWeb)

巨人が15年ぶりの「無冠危機」だ。すでにリーグ3連覇への道を絶たれ、CS進出もほぼ確実となった中で今季の関心事の一つが個人タイトル争い。22日時点で最後の望みは39本塁打、112打点で打撃2冠に立つ岡本和真内野手(25)だけとなっている。堂々たる成績ながら残り2試合で、対戦相手はいずれも村上宗隆内野手(21)を擁するヤクルト。2年連続2冠王の快挙達成へ不安の声も広がっている。

チームはこの日、3位確保とCSを見据えてジャイアンツ球場で全体練習を行った。個人タイトルでは投手6部門は絶望的だ。前半戦だけで9勝をマークした高橋が後半戦に失速して11勝。トップを走る青柳(阪神)は13勝を挙げ、チームとしても高橋の先発は予定されていない。

打者部門では岡本和が4番の名に恥じぬデッドヒートを繰り広げている。ただ、こちらも特に10月のブレーキでライバルたちに一気に肉薄された。39本塁打で並ぶヤクルト・村上は21日に4打点をたたき出すなど111打点でわずか1差。村上と同僚で34本塁打の山田も101打点で3桁の大台に乗せてきた。

さらには〝日本の4番〟も黙ってはいなかった。打率3割2分2厘で首位打者に立つ広島・鈴木誠の勢いが止まらない。9月に13発、今月も6発を放ち、気づけばトップと1本差の38本塁打まで迫ってきた。

残り試合が2試合の巨人に対し、ヤクルトと広島は5試合ずつ。さらに逆風となるのが、巨人の2試合がともにヤクルト戦である点だという。球団関係者は「向こうは早く優勝を決めたいところで、村上もいる。和真とまともに勝負してもらえるかどうか…。勝負するにしても、チャンスはそう多くないかもしれない」と悩ましげだ。岡本和にしてみれば、全神経を研ぎすまし、わずかな失投も見逃さずに2試合で〝貯金〟をつくり、ライバルたちの結果待ちするしかない。

当の岡本和自身はタイトルに関して「あまり気にはしていないです。意識していないので」と無関心を貫くが、ファンからすれば大きな関心事。2年連続で本塁打と打点の2冠に輝けば、セでは1985年から2年連続3冠王となったバース(阪神)以来35年ぶりだ。巨人に限れば、1976年&77年の王貞治(3冠王)以来、44年ぶりの快挙となるのだが…。

投打で巨人勢が無冠に終わると、2006年以来となってしまう。岡本和の大爆発でV逸に続く屈辱の上塗りは避けたいところだが、果たして――。

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