マツダからキャデラック陣営へ。アクション・エクスプレスがナッセの後任にヌネスを指名/IMSA

 2020年までマツダ・モータースポーツのワークスドライバーとして、IMSAウェザーテック・スポーツカー選手権のDPiクラスでマツダRT24-Pをドライブしていたトリスタン・ヌネスは2022年、キャデラック陣営に加入し選手権のトップカテゴリーに復帰する。

 彼は来年、アクション・エクスプレス・レーシング(AXR)が運営するウィレン・エンジニアリング・レーシングを離れるフェリペ・ナッセに代わり、同チームの31号車キャデラックDPi-V.Rをピポ・デラーニとともにシェアする予定だ。また、チームはデイトナとセブリング、グレン、ロード・アトランタの4イベントで構成される“ミシュラン・エンデュランスカップ”では、引き続きマイク・コンウェイを第3ドライバーとして起用することをアナウンスしている。

 ヌネスは今シーズン、マツダが体制を縮小しシングルカーでの参戦になったことでDPiクラスのシートを喪失。そのため、LMP2クラスを戦うウイン・オートスポーツに加わりオレカ07・ギブソンをドライブしてきた。

 2年ぶりの最高峰カテゴリー復帰が決定したヌネスは、「僕のキャリアの中でキャデラックはつねに勝つためのクルマだった」とその印象を語った。

「僕はいつもアクション・エクスプレス・レーシングの持つ優勝を勝ち取る能力と、レースを美しく走ることについて称賛してきた。これは僕のキャリアにおいて大きな一歩であり、この挑戦に興奮している」

「ピポ(・デラーニ)とペアを組めることはこれ以上のない喜びだ。彼は毎年のように最高のドライバーのひとりであることを証明しているからね」

「トラックの外では素晴らしい友情が生まれると思う。それはこのスポーツで成功するための重要な要素だ。マイク(・コンウェイ)を3人目のドライバーとして加えることで、31号車キャデラックは侮れない存在として確固たるものになった」

ウィレン・エンジニアリング・レーシングの31号車キャデラックDPi-V.R

“強豪”アクション・エクスプレスを離脱することになった元F1ドライバーのナッセは、2023年にLMDhプログラムを開始するポルシェ陣営に移籍すると考えられている。対して彼と同郷のデラーニは4年連続でウィレン・エンジニアリング・レーシングで新しいシーズンを迎える予定だ。

 そのデラーニは、「IMSAはドライバーが参加できる、もっとも素晴らしい耐久レースをいくつかを備えた、世界で最高かつもっとも競争力のあるレースシリーズのひとつであることが証明されている」と述べた。

「AXRでより多くの勝利とチャンピオンシップのために戦うためにふたたびチームに戻ってくることは、論理的に考えて簡単に決断することができた」

「また、トリスタン(・ヌネス)をウィレン・エンジニアリング/AXRチームに迎えることができてとてもうれしく思う。トリスタンはマツダと素晴らしい関係を築いてきた。僕たちは一緒に強力なパートナーシップを築いていけると確信している。勝つことを期待しているよ!」

 チームディレクターのゲイリー・ネルソンは、ヌネスの加入について次のように付け加えた。

「トリスタンは、私たちのチームには初めて参加する。しかし、ピポ(・デラーニ)やマイク(・コンウェイ)がキャデラックDPi-V.Rのニュアンスを教えてくれるなど、ピットボックスでの経験があるので彼はチームにすぐに溶け込めるだろう」

「彼はすでにDPiカテゴリーで多くのマイルを稼いでいる。だから、このクラスの競争レベルにも慣れていると思う。2022年のIMSAウェザーテック・スポーツカー選手権DPiチャンピオンシップに向けて、引き続きレースの前戦でを戦い続けることを楽しみにしている」

77号車マツダRT24-P 2021デイトナ24時間レース
マツダ時代のトリスタン・ヌネス。2020年のデイトナ24時間レースで77号車マツダRT24-Pをドライブし総合3位表彰台を獲得した

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