【MLB】元ドラ1が車上生活からワールドシリーズ進出… ブレーブス左腕の“奇跡の復活物語”

ブレーブスのタイラー・マツェック【写真:AP】

ブレーブスのタイラー・マツェック投手は救援で大活躍

ワールドシリーズ進出を決めたブレーブスで、救援投手として大活躍を見せている左腕タイラー・マツェックの再起物語を米全国紙「USAトゥデイ」が紹介している。かつてドラフト1巡目指名を受けた選手が野球から離れ、一時はキャンピングカーで暮らしていたという驚きのストーリーだ。

マツェックはブレーブスのポストシーズン9試合のうち8試合に登板し、10回1/3で17奪三振、防御率1.74を記録中。ドジャースとのナ・リーグ優勝決定シリーズ第6戦では2点リードの7回、無死二、三塁の場面で登板し、プホルス、スーザJr.、ベッツを11球で3者連続三振に斬って取り「自分のことながら、いまだに信じられないよ。自分がいたところからここまで来れたなんて。こんなことができるなんて、ただただクレイジーだよ」とコメントしている。

マツェックは2009年にロッキーズのドラフト1巡目指名(全体11番目)を受けプロ入り。同球団のトッププロスペクトとしてデビューした。2014年にメジャー昇格し、20試合で6勝11敗。翌年もメジャーで投げたものの、2016年にはAと2Aでの登板しかなく、2017年はプロでの経歴が残っていない。

「彼がしたことに驚くべきだ タイラー・マツェックはブレーブスをワールドシリーズに導き、その名を広めた」と題された記事では、マツェックが大リーグから離れた4年間を紹介している。2018年にはキャンピングカーで暮らしながら、独立リーグのアメリカン・アソシエーションに所属するテキサス・エアホッグスで投げていた。

ロッキーズ傘下を2016年に離れる原因となったのはイップスだった。その後も2017年にホワイトソックス、2018年にマリナーズ、2019年にダイヤモンドバックスを放出された。マツェックは自分のキャリアが終わったと考え「長い道のりだったよ。しんどいときもあった。希望がないときもあった。でもだからこそ今起こっていることがより特別なものになるんだ」と振り返る。

2019年8月にブレーブスとマイナー契約すると、昨季はメジャー21試合に投げ4勝3敗1ホールド、今季は69試合で0勝4敗24ホールド。そしてPOでさらに輝きを増している。記事は昨年コロナで延期されていたシーズンが再開された時、スニッカー監督がマツェックの名を忘れていたことに触れ、こう締めくくられている。「ポストシーズンでの彼のパフォーマンスを見た後は、誰もすぐにその名を忘れはしないだろう」。(Full-Count編集部)

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