〈スポカル〉野球 西武育成2位指名・滝澤夏央内野手(関根学園) 「向上心」胸にプロの世界へ スピード売りに走攻守三拍子

 プロ野球ドラフト会議で埼玉西武ライオンズの育成枠2位で指名された関根学園高3年の滝澤夏央内野手(18)が来るプロの世界を見据えて練習に励んでいる。26日には球団のスカウトが来校し、指名あいさつを受ける。同校から2人目のプロ野球選手へ、心身を備えている。

 11日の指名後は友達や知人、知り合いから「おめでとう」「頑張って」とたくさんの声や連絡をもらったという。「いろいろな人から言葉をいただいて、もっと頑張らないといけないなと思った」と、あらためてプロの世界に飛び込む決意を強くした。

プロの世界を見据え、体作りに励む滝澤選手

 164センチ、65キロの小柄な体を逆に生かし、50メートル5秒8の脚力でグラウンドを駆け回る。「スピードを生かした守備」が最大の売りで、ドラフト後は「令和の牛若丸」の異名も付いた。164センチの身長は現在のプロ野球選手で一番低くなるという。注目されそうだ。

スピードが売り。走塁面でも常に先の塁を狙う
課題というバッティングは木製バットで振り込む

 和田保育園の年長児から野球を始め、和田小時代は幼年野球チーム・三郷タイフーンで、城西中では部活動で野球に励んだ。いずれも遊撃手を中心とする内野と投手を掛け持ち、チームを引っ張った。

 指導者からは「うまい選手より強い選手を目指せ」と言われ、印象に残っている。「いくらうまくても土壇場の場面で日頃の行いや勝負強さが結果に出る。最後の最後、勝負が決まる時に強い選手が絶対に勝つと教えていただいた」と話す。日頃からグラウンド整備や道具の片付けなどを率先して行い、人間的な「強さ」を求めてきた。

 好きな言葉は「向上心」。小学生の時に、父・孝弘さん(50)が帽子のひさしに書いた言葉だ。「今のレベルで満足していたらうまくならない、満足せずに上を目指せと。自分の中で大事にしている」と常に心掛ける。「守備は売りだが、プロにいったら普通レベル。攻守にもっと上を目指していきたい」と、プロの世界でも「向上心」を持ち続ける。

 滝澤選手の小中時代の指導者は頼もしい成長を見守り、けがなく無理せず、プロでの活躍を応援している。現在も三郷タイフーンで監督を務める布施修さん(66)は「高校野球が終わった後、チームの練習に顔を出し、子どもたちに礼儀正しさや優しさを見せてくれた。自分の長所を磨いて、(同選手が目標に上げる)源田(壮亮)選手を超えてほしい」と期待した。城西中時代の監督、宮本幸司さん(41、現直江津中教)は「才能があり、野球に取り組む姿勢はピカイチ。裏方の仕事も手を抜かなかった。最後の大会で敗れた後も最初にレーキを持ってグラウンドをならしていた。体は小さくてもやれることを示してくれた。子どもたちの希望になる」と大成を願っている。

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