ぬくもり伝わる 手作りの木製ベンチ 鹿町工高生が製作 バス停に寄贈

木製のベンチを紹介する生徒たちと、ベンチに座る山之内会長=佐世保市、鹿町工業高

 長崎県佐世保市鹿町町の県立鹿町工業高(金子哲次校長)の生徒9人が、鹿町地区自治協議会の依頼を受けて、地元のバス停に設置する木製ベンチ10脚を製作した。
 同町などでは、バスは高齢者の利用が多く、本数が少ないためバス停のベンチに座って待つ時間が長い。それにもかかわらずベンチが老朽化して座りにくくなっていたため、同協議会が地元高校生との交流も兼ねて昨年、同校にベンチを製作してもらった。これが好評だったため、今年も依頼した。
 土木技術科の3年生5人と、土木技術部1年生4人の計9人が授業や部活動の一環で製作。6月から約3カ月かけて、座り心地など工夫しながらスギ材を使って作った。今年は真ん中に脚を1本追加して安定性を強化している。
 3年の山本寛さん(18)は「自分たちの技術が地域に生かせてうれしい。どんどん座って安らいでもらえたら」と笑顔。山之内勝己会長(81)は「プラスチックだったベンチが木製になり、地域の人からも温かみがあると好評。先生も熱心に取り組んでくれたのでありがたかった」と話した。
 4、25日にベンチは同協議会メンバーらが鹿町町と江迎町のバス停に設置。また、同校は10脚とは別に手製の木製ベンチ2脚を同協議会に寄贈している。

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