例年の6月開催から8月へと延期されて実施された第4戦ル・マン24時間レースの終了から約2カ月。WEC世界耐久選手権は各クラスでタイトル争いが佳境を迎えるシーズン終盤戦に突入する。その舞台は中東バーレーンのバーレーン・インターナショナル・サーキットだ。
WECの2021年シーズンでは当初この第5戦のスロットにて、シリーズの“日本ラウンド”となる富士6時間レースの開催が予定されていた。しかし、新型コロナウイルス感染拡大の影響で同大会は中止に。第5戦バーレーン6時間レースはその代替イベントとして開催される。
なお、バーレーンでは例年シーズン最終戦と、その翌日にWECルーキーテストが行われており2021年も例外ではない。このため、選手権は9月下旬に予定されていたWEC富士の開催中止にあわせて終盤戦のスケジュールを再編。第5戦バーレーンを10月28~30日に実施し、その翌週に同地で最終戦バーレーン8時間レースを行う史上初の“ダブルヘッダー”スケジュールを組んでいる。
そんなバーレーン連戦の第1ラウンドとなる第5戦には、ハイパーカー、LMP2、LMGTEプロ、LMGTEアマの4クラスから計31台がエントリーした。
この内、今季からル・マン・ハイパーカー(LMH)規定の導入とともに誕生したハイパーカークラスではグリッケンハウス・レーシングの姿がなく、ル・マン4連覇を果たしたTOYOTA GAZOO Racing(TGR)のトヨタGR010ハイブリッド2台と、アルピーヌ・エルフ・マットミュートが走らせるアルピーヌA480・ギブソンの計3台で争われることになった。なおTGRは、今戦で3位以上の順位でフィニッシュした場合、最終戦を待たずにチームタイトルを確定させる。一方、ドライバーズタイトルは7号車トヨタの小林可夢偉組と、チームメイトを9ポイント差で追う8号車トヨタの中嶋一貴組、そして36号車アルピーヌのクルーによる三つ巴の戦いが最終戦まで続く。しかし、この第5戦がタイトル争いを占う上で、重要な1戦となるのは言うまでもないだろう。
ケッセル・レーシングの木村武史や、星野敏/藤井誠暢/アンドリュー・ワトソン組でフル参戦しているDステーション・レーシングといった“日本勢”も活躍するLMGTEアマクラスは計14台が出走予定だったが、大会開幕直前にチーム・プロジェクト1の46号車ポルシェ911 RSR-19がイベントから撤退し、計13台となることがアナウンスされた。
46号車ポルシェはデニス・オルセンと2名の未発表ドライバーによってエントリーリストに名を連ねていたものの、直前まで資金を持ち込めるドライバーを確保することができず第5戦への出場を取りやめることになった。チーム・プロジェクト1は46号車を姉妹車の56号車ポルシェとともに現地に運んでいるため、来週の第6戦出場に向けて引き続きドライバー調達の努力がなされるものと考えられている。
サーキットの基本データやレースウイークのタイムスケジュール、TV放送予定、最新エントリーリストなどは以下のとおり。なお、現地と日本の間には6時間の時差がある。
■イベント正式名称
BAPCO 6 Hours of BAHRAIN
■サーキット&イベントデータ
・名称:バーレーン・インターナショナル・サーキット
・全長:5,412m
・コーナー数:15
・レース距離:6時間
■タイムスケジュール(10月27日現在)
※日本時間(現地時間)
・10月28日(木)
21:30~23:00(15:30~17:00) フリープラクティス1
・10月29日(金)
14:00~15:30(08:00~09:30) フリープラクティス2
18:30~19:30(12:30~13:30) フリープラクティス3
22:30~22:40(16:30~16:40) LMGTE予選
22:50~23:00(16:50~17:00) HYPERCAR&LMP2予選
・10月30日(土)
17:00~23:00(11:00~17:00) 決勝
■TV放送/映像配信予定
・J SPORTS
10月29日(金)
22:20~24:10 予選(J SPORTS オンデマンド)
10月30日(土)
16:30~23:30 決勝(J SPORTS 2)
16:30~24:30 決勝(J SPORTS オンデマンド)
■ライブタイミング&ストリーミング
・FIA WEC公式ページ
https://www.fiawec.com/
■ポイントランキング
■autosport web
2021年WEC第5戦バーレーン6時間レース関連リザルト&ニュース等まとめページ
■2021年WEC第5戦バーレーン 最新エントリーリスト
Pos. No. Class Team Car Driver Tyre
1
7
HYPERCAR
トヨタ・ガズー・レーシング
トヨタGR010ハイブリッド
M.コンウェイ
小林可夢偉
J-M.ロペス
MI
2
8
HYPERCAR
トヨタ・ガズー・レーシング
トヨタGR010ハイブリッド
S.ブエミ
中嶋一貴
B.ハートレー
MI
3
36
HYPERCAR
アルピーヌ・エルフ・マットミュート
アルピーヌA480・ギブソン
A.ネグラオ
N.ラピエール
M.バキシビエール
MI
4
1
LMP2
リシャール・ミル・レーシング・チーム
オレカ07・ギブソン
T.カルデロン
S.フローシュ
GY
5
20
LMP2 ProAm
ハイクラス・レーシング
オレカ07・ギブソン
A.フィヨルドバッハ
D.アンデルセン
R.クビサ
GY
6
21
LMP2 ProAm
ドラゴンスピードUSA
オレカ07・ギブソン
H.ヘドマン
J-P.モントーヤ
B.ハンリー
GY
7
22
LMP2
ユナイテッド・オートスポーツUSA
オレカ07・ギブソン
P.ハンソン
F.シェーラー
F.アルバカーキ
GY
8
28
LMP2
JOTA
オレカ07・ギブソン
S.ゲラエル
S.バンドーン
T.ブロンクビスト
GY
9
29
LMP2 ProAm
レーシング・チーム・ネーデルランド
オレカ07・ギブソン
F.バン・イアード
G.バン・デル・ガルデ
J.バン・ウィタート
GY
10
31
LMP2
チームWRT
オレカ07・ギブソン
R.フラインス
F.ハプスブルク
C.ミレッシ
GY
11
34
LMP2
インターユーロポル・コンペティション
オレカ07・ギブソン
J.スミエコウスキー
R.バン・デル・ザンデ
A.ブランドル
GY
12
38
LMP2
JOTA
オレカ07・ギブソン
R.ゴンザレス
A.F.ダ・コスタ
A.デビッドソン
GY
13
44
LMP2 ProAm
ARCブラティスラバ
リジェJS P217・ギブソン
M.コノプカ
O.ウェッブ
K.マイニ
GY
14
70
LMP2 ProAm
リアルチーム・レーシング
オレカ07・ギブソン
E.ガルシア
L.デュバル
N.ナト
GY
15
51
LMGTE Pro
AFコルセ
フェラーリ488 GTE Evo
A.ピエール・グイディ
J.カラド
MI
16
52
LMGTE Pro
AFコルセ
フェラーリ488 GTE Evo
D.セラ
M.モリーナ
MI
17
91
LMGTE Pro
ポルシェGTチーム
ポルシェ911 RSR-19
G.ブルーニ
R.リエツ
MI
18
92
LMGTE Pro
ポルシェGTチーム
ポルシェ911 RSR-19
K.エストーレ
N.ジャニ
MI
19
33
LMGTE Am
TFスポーツ
アストンマーティン・
バンテージAMR
B.キーティング
D.ペレイラ
F.フラガ
MI
20
47
LMGTE Am
チェティラー・レーシング
フェラーリ488 GTE Evo
R.ラコルテ
G.セルナジョット
A.フォコ
MI
21
54
LMGTE Am
AFコルセ
フェラーリ488 GTE Evo
T.フロー
F.カステラッチ
G.フィジケラ
MI
22
56
LMGTE Am
チーム・プロジェクト1
ポルシェ911 RSR-19
E.ペルフェッティ
M.カイローリ
R.ペーラ
MI
23
57
LMGTE Am
ケッセル・レーシング
フェラーリ488 GTE Evo
木村武史
M.イェンセン
S.アンドリュース
MI
24
60
LMGTE Am
アイアン・リンクス
フェラーリ488 GTE Evo
C.スキアヴォーニ
A.ピッチーニ
M.クレッソーニ
MI
25
77
LMGTE Am
デンプシー・プロトン・レーシング
ポルシェ911 RSR-19
C.リード
J.エバンス
M.キャンベル
MI
26
83
LMGTE Am
AFコルセ
フェラーリ488 GTE Evo
F.ペロード
N.ニールセン
A.ロベラ
MI
27
85
LMGTE Am
アイアン・リンクス
フェラーリ488 GTE Evo
R.フレイ
S.ボフィー
K.レッグ
MI
28
86
LMGTE Am
GRレーシング
ポルシェ911 RSR-19
M.ウェインライト
B.バーカー
T.ギャンブル
MI
29
88
LMGTE Am
デンプシー・プロトン・レーシング
ポルシェ911 RSR-19
K.アル・クバイシ
A.デ・リーナー
J.アンドラウアー
MI
30
98
LMGTE Am
アストンマーティン・レーシング
アストンマーティン・
バンテージAMR
P.ダラ・ラナ
A.ファーフス
M.ゴメス
MI
31
777
LMGTE Am
Dステーション・レーシング
アストンマーティン・
バンテージAMR
星野敏
藤井誠暢
A.ワトソン
MI