韓国紙「韓国市場でトヨタ復活も、ホンダは明らかに存在感落ちた」「リコール多い」

日本製品不買運動が直撃し販売台数を大きく落とした日本車だが、最近になり盛り返している。しかし、好調なのはトヨタのみであり、不調が続くホンダと対照的な姿を見せた。

参考記事:韓国紙「レクサスLFAが韓国公道で目撃…ネットは賞賛の嵐」「かっこいい…狂いそう…日本車だけど…」

韓国経済新聞は25日、トヨタとホンダについて「ともにNOジャパンに代表される日本製品不買運動を経験したが、レクサスが品質競争力を土台に《(販売数)1万台クラブ》に再進入を狙う一方、ホンダの存在感は明らかに落ちた」と伝えた。

韓国輸入車協会(KAIDA)によると、今年1~9月のレクサスコリアの販売数は7472台を記録した。前年同期(5750台)比で大きく増えており、2019年の同期間(1万426台)と比べても70%以上回復した姿をみせている。

レクサスは韓国でも製品競争力やサービス品質の高さで評価されている。

消費者リサーチ専門機関であるコンシューマーインサイトが韓国の消費者10万人を対象に行った「年次自動車企画調査」においてレクサスは、初期品質(TGR-i) 、耐久品質(TGW-d)、販売サービス満足度(SSI)、A/S満足度(CSI)など各種部門で1位となり4冠を達成した。サービスで下位に留まった現代自動車など韓国車と対照的な姿をみせた。

また、同調査では、レクサスのプレミアムハイブリッドセダンである「ES300h」が2年連続「カーオブザイヤー」に選ばれている。韓国では世代年齢が高いほどレクサスの選好度が高いことも分かっている。

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韓国の自動車専門紙などもレクサスの新モデルについて高い評価を下す一方、ハイブリッド技術では日本が世界一であると伝えている。

韓国経済新聞は、一方で、「ホンダコリアは不買運動の余波から離れることができていない」と指摘した。ホンダは今年1~9月の販売台数が3045台に留まっており、2019年の同期間の販売数(6456台)に比べると半分以下の水準となっている。

同紙は、ホンダが昨年、ニューアコードハイブリッドやCR-Vハイブリッドなどを投入し「韓国市場攻略を強化したが、あまり効果がなかった」「新車効果が無色だった」などと指摘した。同時に、新車効果が遅れて出てくる可能性について言及しつつ、「もう少し見守る必要がある」とする専門家意見を伝えている。

ホンダが不調から抜け出せないのは、デザインや品質に原因があるとする見方も出ている。

韓国の消費メディア「消費者がつくる新聞」は29日、かつて韓国市場で5%近いシェアのあったホンダが昨年は1.1%、今年1~9月は1.4%に留まっていることを挙げた。

同紙は、「ホンダは販売車種も多くなく、未来的なデザインに対する努力が惜しい部分がある」というキム・ピルス大林大学未来自動車学部教授のコメントを紹介し、ホンダコリアの不調の原因が不買運動だけでないとの見方を伝えている。

同紙は特に、ホンダのリコール数の増加について注目した。新代表が就任した2019年6月以降、ホンダコリアは計3万3277台をリコールしており、「販売量(9177台)に比べ3倍以上(の車両)で品質管理が急務になった」と指摘した。

続けて、ホンダコリアがやはり2019年6月以降にサービスセンターを新設しておらず、むしろ一店を閉鎖し、他の店舗も閉鎖予定にあると伝えている。

ちなみに、リコール数の増加が販売台数の減少に繋がったとする因果関係を同紙は示していないが、サービスセンターの減少は、同地における事業意欲が低下している現れとみることもできる。

この報道をみた韓国のネットユーザーからは、

「認めるべきは認めよう。日本車は故障も少なく品質も韓国車より良い」

「ノージャパンと関係なく…ホンダを含む少なくない日本車がデザインや性能面で競争力を失い韓国売れていないだけ…」

「ホンダはもっと強いはずだが評価低いね」

「ノージャパンよりノーチャイナが先では?」

「ファクトはトヨタもホンダも米国でよく売れているということ…」

「日本の自動車工場見学に行ったとき、整然とした工場で真剣に車を組み立てる姿を見た。なぜ日本車が世界で認められるのか分かった」

「レクサスハイブリッドは静かでアナログな内部も好きだ」

などのコメントがネット掲示板に投稿されている。

参考記事:韓国自動車紙「かつて日本車は破壊的で最先端だった」「今はガンダムのよう…感性より数字に」

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