厚木の保育園がグッドデザイン賞受賞 園庭なくても環境充実 自社レストランの給食も

段差を設け、楽しく運動できるよう工夫した保育園「KIDS SMILE LABO」=厚木市旭町1丁目(日比野設計提供)

 小田急線本厚木駅そばの保育園「KIDS SMILE LABO(キッズ・スマイル・ラボ)」(厚木市旭町1丁目)が、本年度のグッドデザイン賞(一般・公共用システム・サービス部門)を受賞した。ビル内にあり、園庭はないが、自然豊かな市内での河原遊びや農業体験などを取り入れ、レストランから給食を提供するといった取り組みが評価された。

 同市飯山の日比野設計(日比野拓会長)が運営する企業主導型の認可外保育園。1972年創業の同社はバブル経済崩壊後、強みの教育、保育、福祉施設の設計に特化し、これまでに全国約540施設、海外約30施設を手掛けた。

 「従業員の福利厚生施設であると同時に、自社の強みを生かしたモデル的な保育園をつくりたかった」と日比野会長。自社事務所が入居するビル2階の全フロア約340平方メートルを使い、今年3月に開園。地域の利用者を含め10月時点で18人が通園している。

 日比野会長によると、保育園の需要が高いのは人口の多い都市部や駅前だが、広い園庭を確保しにくく、「子どもにとってはいい環境ではない」。そうした課題を解決するため、板敷きの床に段差を設け、子どもたちが「山登り」の感覚で運動できるようにした。

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