衆院選長崎1区 西岡さん再選 全国的注目区で圧勝

再選が確実となり、涙を浮かべながら支援者と喜びを分かち合う西岡さん(中央)=10月31日午後8時8分、長崎市元船町の選挙事務所

 仲間の拍手と笑顔に出迎えられ、国民民主前職、西岡秀子さん(57)の目に涙がにじんだ。安倍晋三元首相の元政策秘書を迎え撃ち、全国から注目された長崎1区。「今こそ、政治に信頼を」と丁寧に訴え、県都の議席を守った。
 「“安倍政治”を変えられるかどうか象徴的な選挙区」(玉木雄一郎党代表)。前回議席を争った自民前職から相手が変わり、対立軸は明確になった。だが所属する国民は昨年の野党再編で小規模になり、「比例復活はない」。背水の陣だった。優勢が報じられても「すごく厳しい。本当に見えない。組織力の違いを感じる」と不安を拭えずにいた。
 参院議長を務めた亡父武夫氏から受け継いだ支持基盤“西岡党”や連合長崎など労組が全面的に支え、玉木氏も公示後3度、長崎入り。西岡さんは「より多くの人に思いを届けたい」と市内を歩き続けた。
 父譲りのブレない姿勢、信念は演説に現れている。「私が戦っているのは大きな権力、巨大な組織」。相手候補を個人攻撃することは一切なかった。10万円の定額給付金など党提案の政策の実現例を挙げ、「国民が望む政策を適切な時期に提案すれば、野党でも政府を動かせる」と訴えた。
 ふたを開ければ約3万票差の圧勝。午後8時すぎ、事務所のテレビが全国で最初に西岡さんの当確を報じた。「大きな責任をいただいた。政治の流れを変える。長崎が直面する課題に全力で取り組みたい」。何度も頭を下げた。


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