県内経済界「地方の活性化が重要」「コロナ対策効果的に」 政権継続に期待と注文

 「地方の活性化が重要」「効果的なコロナ対策を」-。衆院選で自民・岸田文雄政権の継続が確実となって一夜明けた1日、長崎県内経済界から期待や注文の声が上がった。
 佐世保商工会議所の金子卓也会頭は、国力向上のためには東京一極集中から脱し、地方を活性化させることが重要だと強調。新型コロナ禍でオンライン活用が進み、地方に目が向けられているとし「長崎のインフラを整備してほしい」と述べた。県と佐世保市が誘致を目指す、カジノを含む統合型リゾート施設(IR)について「佐世保の飛躍のきっかけになる」と期待。「国としても計画を着実に前に進めて」と求めた。
 人口減少が著しい離島振興への願いも切実だ。五島市の福江商工会議所の清瀧誠司会頭は「国境離島新法で雇用が生まれ、会員数も少しずつ増えている。今後も施策が継続するのは良かった」と指摘。一方、コロナ禍の需要喚起策「Go To キャンペーン」について「恩恵を受けていない事業者が多い。地方が潤うような事業の推進をお願いしたい」と注文した。
 コロナ禍で傷んだ経済再生と感染防止策との両立支援も課題。県中小企業団体中央会の石丸忠重会長は「中小企業・小規模事業者の中でも飲食・宿泊・サービス業などの事業者や関連事業者は、(時短営業など)感染拡大防止対策を必死に受け止め、耐え忍んできた」と代弁。「この努力が一刻も早く報われるよう、効果的なコロナ対策、医療体制の整備を引き続きお願いするとともに、ポストコロナの変革の時代を切り開くため、消費喚起対策や万全な資金繰り対策による景気回復の早期実現を強く期待する」とコメント。
 自民が公約に掲げた農林水産業の成長産業化に期待を込めるのは、JA県中央会の辻田勇次会長。「輸出が進めば、需給バランスが安定し、国内での価格安定につながる。日本一になった長崎和牛やミカン、茶、ブロッコリー、アスパラガスなどの魅力ある本県の農産物は、海外でも高い評価を得るだろう」。その上で「先進国で最も低い食料自給率の向上も重要な問題であり、国民全体の理解を広げながら取り組みを進めてほしい」と述べた。

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