九州高校野球大会 6日開幕 海星は福岡第一、長崎日大は小林秀峰と対戦

強力打線を引っ張る海星の森(写真右)、投手の左右二枚看板の一角を担う長崎日大の種村=諫早市、長崎日大学園野球場

 来春の甲子園につながる第149回九州地区高校野球大会が6~12日、鹿児島市で16校が出場して行われる。長崎県勢は第1代表の海星が11季ぶり43度目、第2代表の長崎日大が2季ぶり24度目の出場。海星は第1日の第1試合(6日10時・平和リース球場)で福岡第一と、長崎日大は第2日の第2試合(7日13時・平和リース球場)で小林秀峰(宮崎)との1回戦に臨む。ここで勝って勢いに乗り、選抜出場へ有力となる4強以上に駆け上がれるか。本番直前、両校の横顔を紹介する。

■海星 6年ぶり切符へ投打充実

 海星は県大会で厳しい組み合わせを勝ち抜いた。準々決勝は昨秋の九州大会を制した大崎に16安打で10-4、準決勝は過去9年で春夏計6度の全国切符を手にしている創成館に15安打で13-6の快勝。長崎日大との決勝は10安打で2得点ながら、守備で踏ん張って無失点で締めくくった。
 攻撃は昨季から存在感を発揮する森、丸本、河内、西村らを軸に、打順に関係なく得点が期待できる。引っ張って大きいのを打てる選手もそろう中、県大会は中堅から逆方向への意識を共有。中でも背番号12で4番を任された1年生田川は、全試合快音を響かせてチーム最多の13安打、打率6割8分4厘を記録した。
 チーム打率の3割7分7厘も対戦相手を踏まえると数字以上に評価できる。歴代のチームが武器にしてきた積極的な走塁については「まだ体が重い」(加藤監督)。例年以上に機動力の練習にも時間を割いている。
 投手陣は昨季も活躍した宮原、向井の両右腕が柱。体重もある宮原の直球はコンスタントに140キロ超を計時して球威は十分だ。向井も140キロ前後の球の伸びが持ち味。塚本らを含めた継投も視野に連戦を勝ち抜けるだけの層があり、バックもよく鍛えられている。
 6年ぶりの春切符獲得へ、主将の柿本は「守り勝つ野球で一戦一戦を確実に取り、結果として九州1位になれれば」と闘志を燃やし、加藤監督は「決勝進出は最低限。それくらいの思いを背負ってやる。遊びに行くわけじゃない」と奮起を促す。

■長崎日大 教訓生かし守備で流れを

 2年連続出場の長崎日大は昨秋、初戦で宮崎商にコールド負け。与四死球や失策から序盤に乱れた反省を踏まえ、宮崎県1位校との再戦で雪辱を誓う。平山監督は「取れるアウトを取ることが大事。立ち上がりをしっかりして流れをつくっていきたい」と意気込む。
 右腕種村と左腕川副の投手二枚看板がチーム浮沈のカギを握る。種村は県大会で14回1/3を投げ、唯一失点したのが準決勝の五回。2-0から一挙5失点で逆転され、配球の重要性や一球の重みを肌で感じた。川副は上背こそないが、投げっぷりが良く、右打者へも強気で投げ込む。県大会は3回戦で5回参考ながら無安打無得点試合を達成し、決勝も海星を相手に8回2失点でまとめた。
 県大会のチーム打率は3割5分2厘。個人5割の河村を筆頭に前田凱、百武、松尾ら中心選手が振れていた。1年生平尾は2桁の背番号ながら全試合1番で出場し、準々決勝では豪快な一発をマーク。全員で徹底して振り込んできた結果、下半身の粘り強さも増してきた。立川、岩野らの足も絡めて泥くさく1点を積み重ねていきたい。
 夏は2010年、春は1999年を最後に全国舞台から遠ざかっているチーム。県勢で平成最多の甲子園出場を誇る伝統校にとって、ここで切符を取れるかどうかは今後へも大きな意味を持つ。
 主将の河村は「九州優勝を目標に、気持ちを一つにやってきた。受け身になったら駄目。初回から一気に入っていきたい」と言葉に力を込める。

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