ドローン管制システム 五島市などが検証 飛行範囲の拡大見据える

ドローン向け管制システムの画面に映し出された機体の飛行位置を示す濱本社長=五島市下大津町、大津みなと公園

 小型無人機ドローンの実用化を目指す五島市で10月下旬、国が開発したドローン向け航空管制システムの実証実験が行われた。市や事業者などのグループが、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の委託を受け実施した。
 国土交通省は、物流や災害などでドローンの活用を広げるため、飛行可能な範囲を拡大する方針。現在、目の届かない距離の飛行は「レベル3」で山間部など無人地帯に限られているが、2022年度には、「レベル4」の市街地など有人地帯の上空を飛行させる運航が可能になる見込み。
 実証実験は、レベル4での飛行解禁を見据え、安全面で必要な管制システムの運用を検証するのが目的。市は18年度から、二次離島への物流などでの活用を検討しており、ドローン事業を展開する「そらや」(同市)などとグループを構成し、本年度受託した。
 28日までの計7日間にわたって実施。27日は、福江島周辺で海難捜索や海ごみ調査、農地作付け調査、物流の四つの用途のドローン計4機をそれぞれ別の場所で同時に運航。大津みなと公園の仮設テントに搬入した管制システムの画面に、それぞれの飛行位置が表示される様子を把握した。
 ドクターヘリの飛行ルートを参考にしながら、衝突を避けてドローンを着陸させる流れも確認。緊急時に優先飛行させる運用など、空の「交通整理」の在り方を検証した。そらやの濱本翔社長は「市街地の上空をより安全に飛ばすためのシステムで、ドローンの活用を広げていくために重要になる」と話した。

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