モントーヤ親子やWシリーズのトップ2も参加。WECルーキーテストのエントリーリスト発表

 11月7日(日)にバーレーンのバーレーン・インターナショナル・サーキットで行われるWEC世界耐久選手権の『ルーキーテスト』のエントリーリストが11月2日付で公開された。トヨタGAZOO Racingの2台のGR010ハイブリッドを含めた4クラス・18台の車両がエントリーし、WECレギュラー外を含むさまざまなドライバーが名を連ねている。

 最終戦翌日の開催が恒例となっているルーキーテストには、WECに参戦する各チームが、将来有望な若手ドライバーや、他カテゴリーで活躍するトップドライバーなどをエントリーさせることができる。また、レギュラードライバーがドライブすることも可能だ。

 これに加え、シリーズオーガナイザーは“模範的なパフォーマンスとレーススキル”により選ばれた若手ドライバーに対し、ハイパーカークラスとLMGTEプロクラスのチャンピオンカーにおける、最低30周のテスト機会を提供している。

 今年、この枠にはLMP2クラスのチームWRTで参戦してきたシャルル・ミレッシ、そしてGTドライバーのローレンツ・ホアが選出されており、LMP2レギュラーのミレッシはトヨタの7号車GR010ハイブリッドに、レギュラードライバーのマイク・コンウェイとともにその名が記載されている。

 一方、LMGTEプロクラスのタイトルが6日の最終戦『バーレーン8時間レース』で決定するためか、ホアの名前は今回のリストでは記載されていない。

 すでに発表済みのところでは、7度のWRC王者セバスチャン・オジエが、トヨタの8号車からセバスチャン・ブエミとともにエントリー。トヨタはコンウェイ、ブエミ以外のレギュラードライバーは参加しないようだ。

 また、既報のとおりファン・パブロ・モントーヤの息子・セバスチャンが、LMP2クラスのドラゴンスピードUSA21号車オレカ07・ギブソンでテストに参加する。21号車のドライバーとしては、レギュラー参戦する父ファン・パブロもリストに記載されており、ベンジャミン・ハンリーとともに親子で1台をシェアする形となる。

 その他の注目点としては、リシャール・ミル・レーシングの1号車オレカ07が、ふたりのWシリーズドライバーを採用する点が挙げられる。今季同シリーズでタイトルを獲得したジェイミー・チャドウィック、ランキング2位となったアリス・パウエルというふたりの女性ドライバーが、フランス人女性ドライバーのリル・ワドゥーとともにLMP2マシンをテストする。

2019、2021シーズンにWシリーズを制覇したジェイミー・チャドウィック

 一方、この1号車で今季フル参戦してきたソフィア・フローシュは、別チームからテストに参加。チームWRT31号車のオレカ07に、同チームのレギュラーであるロビン・フラインスとともに名前が記載されている。

 また、28号車の1台体制でテストに臨むJOTAは、マレーシア籍ドライバー、ジャズマン・ジャファーの起用を発表している。ジャファーは2018/19シーズンに、同チームに加わっていた。

■Dステーション・レーシング777号車もテストには参加

 LMGTEプロクラスでは、AFコルセの51号車フェラーリ488 GTE Evoで、イタリアGTエンデュランスクラス王者のサイモン・マンが、父親のピーターとともにエントリーしている。

 また、ポルシェGTチームは2台の911 RSRをエントリーしているが、そのドライバー欄には最終戦にエントリーする6人のレースドライバーの名前がそのまま記載されている。

 LMGTEアマクラスでは、アストンマーティンが多くの新鋭ドライバーを3台のバンテージAMRに分けて登録している。この3台には、日本籍のDステーション・レーシングの777号車も含まれているが、同チームレギュラーの星野敏と藤井誠暢はテストに参加しないようで、名前は記載されていない。

 2台がエントリーするアイアン・リンクスのフェラーリ488 GTE Evoでは、ストックカー・ブラジル(SCB)で活躍するブルーノ・バティスタ、TCRヨーロッパに参戦するフランコ・ジロラミ、インディ・ライツに参戦するアレックス・ペローニらがルーキーテストに臨む。

 現在のリストでは、LMP2クラスのレーシングチーム・ネーデルランド、リアルチーム・レーシングに、ドライバー未定の欄がある。

■2021WECルーキーテスト 暫定エントリーリスト(11月2日現在)

No. Class Team Car Driver Tyre

7 HYPERCAR トヨタ・ガズー・レーシング トヨタGR010ハイブリッド M.コンウェイ
C.ミレッシ MI

8 HYPERCAR トヨタ・ガズー・レーシング トヨタGR010ハイブリッド S.ブエミ
S.オジエ MI

36 HYPERCAR アルピーヌ・エルフ・マットミュート アルピーヌA480・ギブソン N.ラピエール MI

1 LMP2 リシャール・ミル・レーシング・チーム オレカ07・ギブソン L.ワドゥー
J.チャドウィック
A.パウエル GY

21 LMP2 ProAm ドラゴンスピードUSA オレカ07・ギブソン S.モントーヤ
B.ハンリー
J-P.モントーヤ GY

28 LMP2 JOTA オレカ07・ギブソン J.ジャファー GY

29 LMP2 ProAm レーシング・チーム・ネーデルランド オレカ07・ギブソン TBA GY

31 LMP2 チームWRT オレカ07・ギブソン R.フラインス
S.フローシュ GY

70 LMP2 ProAm リアルチーム・レーシング オレカ07・ギブソン TBA
TBA GY

51 LMGTE Pro AFコルセ フェラーリ488 GTE Evo S.マン
C.ウルリッヒ
P.マン MI

52 LMGTE Pro AFコルセ フェラーリ488 GTE Evo A.ピエール・グイディ MI

91 LMGTE Pro ポルシェGTチーム ポルシェ911 RSR-19 G.ブルーニ
R.リエツ
F.マコウィッキ MI

92 LMGTE Pro ポルシェGTチーム ポルシェ911 RSR-19 K.エストーレ
N.ジャニ
M.クリステンセン MI

33 LMGTE Am TFスポーツ アストンマーティン・
バンテージAMR G.ハファカー
F.ラトー
A.ワトソン MI

60 LMGTE Am アイアン・リンクス フェラーリ488 GTE Evo B.バプティスカ
F.ジロラミ MI

85 LMGTE Am アイアン・リンクス フェラーリ488 GTE Evo A.ペローニ
B.ゲーテ MI

98 LMGTE Am アストンマーティン・レーシング アストンマーティン・
バンテージAMR A.ワトソン
N.キヤガード
D.ピタード
R.デ・アンジェリス MI

777 LMGTE Am Dステーション・レーシング アストンマーティン・
バンテージAMR V.ハッセ・クロット
K.コッホ
D.マーレー
A.ワトソン MI

モントーヤ親子がドライブすることになるドラゴンスピードUSAの21号車オレカ07・ギブソン

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