有名テニス選手と元副首相の不倫問題を巡り中国政府の検閲が激化 言論統制に対抗の動きも

元副首相との不適切な関係を発信した中国女子テニス界のスター・彭帥(ロイター)

中国の有名テニス選手と元副首相の不倫問題を巡って、中国政府による検閲が激化して波紋を呼んでいる。

女子テニス界のスター選手である彭帥さん(35)が中国のSNS「ウェイボー(微博)」に張高麗前副首相(75)との性的関係を訴えて大きな話題を集めている。

世界から注目を集める大騒動になる中、中国政府が露骨な検閲を展開して波紋が拡大。台湾メディア「上報」は「中国共産党中央委員会の第6回本会議の前に、高官を巻き込んだスキャンダルがあった。中国のテニスチャンピオンの彭帥は、元副首相の張高麗と性的関係を持っているとウェイボーで伝えた。しかし騒動以来、ウェイボーを含む中国の主要なソーシャルプラットフォームは関連するニュースをブロックし、関連する投稿を禁止した」と政府が強権発動して徹底した検閲を実施していると報じた。

中国政府による検閲はすさまじく「韓国の恋愛ドラマ『総理と私』でさえ警告なしに削除された」と指摘。一見関係ないように思えるが、レビュー欄でユーザーが彭さんの告発に触れたことが検閲の対象になったとみられる。

ただ、中国内では言論統制に対抗する動きも出ている。「中国のネチズンは道を見つけるのに非常に賢い。人民解放軍の彭徳懐将軍と習近平の父でもある当時の習仲勲副首相が一緒に戦闘計画を研究している1947年の写真を見つけた。『彭帥と副首相』をほのめかして、検閲を回避しようとしている」と2人の関係を暗示する写真が抗議の意味も込めて次々と投稿されている。

衝撃的な不倫問題の余波はまだまだ続きそうだ。

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