新姫川第六発電所 水車ランナーを据え付け 黒部川電力 来年4月の営業運転へ 工事現場、進ちょく公開 

 黒部川電力(東京都)と北陸電力(富山市)は2日、糸魚川市小滝から長野県小谷村で建設を進めている水力発電所「新姫川第六発電所」の発電関連部品の据え付け作業や導水管工事の状況を報道陣に公開した。

 同発電所の出力は2万8000キロワット、来年4月の営業運転開始を目指している。

水車ランナーと主軸合わせて約15㌧の部品が慎重に取りつけられた

 同日は姫川沿いに設けた建屋で、発電機と直結する「水車ランナー(羽根車)」の据え付けが行われた。ランナーと主軸を合わせた重量は約15トン。クレーンでつり上げ、据え付けられた。黒部川電力によると水を使用しての試運転は来年2月ごろを予定している。

 山中では発電所に水を送る全長約4・6キロの導水路トンネル工事が進んでいる。同工事では固い地盤と軟弱地盤の混在が予想され、大手建設会社の鹿島(東京都)と建機メーカーのコマツ(同)が共同開発した掘削機が初めて使用された。工事は軟弱地盤の影響をさほど受けず、順調に進んだという。トンネル内の資材運搬は電車を用い、地下鉄が通過するときのような音が聞こえるなど、工事の壮大さを感じさせた。

導水路トンネル内はレールが敷かれており、資材は電車で運搬する

 同発電所は再生可能エネルギー拡大の観点から事業化され、2018年8月に着工。黒部川電力によると、工事の全体進ちょくは80%程度。今後導水管の仕上げ工事や発電機関連の作業を行うことにしている。

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