「海猿」目指し、潜水士選考会 横浜で第3管区海上保安本部 狭き門に27人が体力、泳力競う

潜水士の候補者選考会に臨む若手海上保安官=横浜市中区の横浜会場防災基地

 第3管区海上保安本部は5日、海難事故現場で人命救助に当たる潜水士の候補者を決める選考会を横浜市中区の横浜海上防災基地で行った。海保のシンボル的な存在となる“海猿”を目指し、海上保安官27人が体力や泳力をアピールした。

 潜水士は転覆・沈没した船舶から、遭難者の救出や行方不明者の捜索などを行う。ヘリコプターと連携して救助に携わる機動救難士や、高度な知識・技術を必要とする海難救助のスペシャリスト特殊救難隊の第一歩となる資格だ。

 選考会には通常業務の間に自主訓練を重ねてきた21~26歳の若手が参加。施設内のプールを使って25メートルの素潜りや300メートル自由形などでタイムを競った。

 選考を担当した同本部警備救難課の佐々木崇夫課長は「意識の高い職員ばかり。人の命を助けたいという今の気持ちを忘れず、業務に取り組んでほしい」と話していた。

 選考会は希望者を対象に年に1度実施しており、陸上での走力選考、面接などを経て、第3管区から例年2~3人が選ばれる狭き門。合格者は海上保安大学校(広島県)で約2カ月の研修を経て潜水士となる。

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