長崎県高校駅伝 女子 強かった「新しい諫早」 個々の力鍛え独走

女子1区、序盤からレースを引っ張る諫早の蔦野(中央)=県立総合運動公園周回コース

 2区にたすきが渡った時点で後続との差は59秒。ゴール地点では3分半以上に広がっていた。女子はおおかたの予想通り、もしくはそれ以上の独走劇。「新しい諫早」も、やはり強かった。
 初優勝した1993年以来、長崎県で負けたのは2回だけ。2度の全国制覇を誇る名門校は、長年率いた松元利弘氏が2016年度をもって定年退職し、後を受け継いだ藤永佳子前監督も今春、五島に転任したため、体制は大きく変わった。
 当初は生徒たちも少なからず戸惑い、6月の県高総体までは思うような結果を出せなかった。さらに駅伝シーズンを待たずに3年生数人が引退。「今年の諫高は負けるかもしれない」。そんな声も聞こえてきたが、伝統校はしっかりチームを仕上げてきた。今年もまた、都大路までたすきをつないだ。
 新たに赴任した羽山監督は、アスファルトの上を走る頻度が多かった朝練習を見直し、芝生を使ったクロスカントリー走を導入。故障者が減るだけでなく、足腰が鍛えられて個々の走力が上がった。走った5人全員が今季、3000メートルの自己ベストを更新した。
 レース後、この日、3年生で唯一走った2区水谷が勝因を挙げた。「変わらず続けてきたことと、新しくなったことをうまく自分たちの力にできた」。諫早の時代は終わってしまうのか-。そんな不安を一掃するような力強いレースだった。


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