和装もっと楽しんで 振り袖用インナー開発 美容室経営の大蔵さん 三和区

 三和区番町で「トマト美容室」を営む大蔵成子さん(67)は、振り袖用のインナードレス「和奏(わかな)」を製作した。「安心して着物を楽しんでほしい」。そんな思いが、今までにない和装用下着を生み出した。

 週1回、同店内で着付け教室を開く大蔵さんは3年前、成人式に参加した二十歳の女性の「苦労」を耳にする。トイレに行って着付けが崩れても自分で直せないため、式の3日前から水分を控えるのだという。また慣れない和装で足の動きが制限され、車の乗降や階段の上り下りに不安や危険が伴うことが分かった。

 大蔵さんは「何か作ってあげたい」と一念発起。着物の裾をまくったときに、見えても恥ずかしくない下着を作ろうと発想を転換。試行錯誤を重ね、商品化にこぎつけた。

来年度の成人式に参加予定の女性が「和奏」の着付けに来店。裾の持ち方を教える大蔵さん(左)は黄色、女性はピンク色の和奏を着用(1日)

 和奏は、従来の腰巻きを現代風にアレンジ。肩ひもを付け、足元まで覆う長いドレス型にした。生地は伸縮性のあるプリーツ(ひだ)地を使用。裾に向かって細くなるよう縫製することで着物の前割れを防ぎ、なおかつ自由に足を動かせるようにした。また着物との調和を考えカラフルな色展開にした。

ずれ落ち防止と長さ調整を兼ねた肩ひもが付いている

 20日は上越市の成人式。晴れの日を振り袖姿で迎えたい女性は多い。大蔵さんは「着物はもっと簡単に着られたらいい。和奏が和装に親しむ一助になれば」と願っている。

 和奏は1枚1万8700円(税込み)。サイズはS、M、Lで全7色。実用新案に登録済みで、特許の申請中。問い合わせは大蔵さん(電090・3040・5121)へ。

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