Wソックスがキンブレルのオプション行使 トレード放出を画策か

日本時間11月7日、ホワイトソックスはセザー・ヘルナンデスの年俸600万ドルの球団オプションの行使を見送った一方、クレイグ・キンブレルの年俸1600万ドルの球団オプションを行使したことを発表した。キンブレルは今年7月末のトレードでカブスから移籍したものの、防御率は移籍前の0.49から移籍後は5.09へと大幅に悪化。セットアッパーという慣れない役割に苦戦したのか、期待通りの活躍はできなかった。オプションを行使したホワイトソックスだが、トレード放出を画策するとみられている。

現在33歳のキンブレルは、今季カブスとホワイトソックスで合計63試合に登板して59回2/3を投げ、4勝5敗24セーブ、6ホールド、防御率2.26、100奪三振を記録。ホワイトソックス移籍後は期待に応える活躍ができなかったとはいえ、シーズントータルで見れば、過去2年の不振を脱し、ブレーブス時代やレッドソックス時代のような輝きを取り戻す「復活のシーズン」となった。

今オフのFA市場はトップクラスのクローザーがライセル・イグレシアス(今季エンゼルス)とケンリー・ジャンセン(今季ドジャース)くらいしかおらず、ホワイトソックスはこの市場の状況を理解したうえでオプション行使を選択したとみられる。キンブレルを獲得する際に巧打の二塁手ニック・マドリガル(2018年ドラフト全体4位指名)と即戦力のリリーフ右腕コディ・ホイヤーという大きな対価を支払っており、キンブレルを再トレードすることで損失を少しでも抑えたいという思惑もあるのだろう。

絶対的守護神のリアム・ヘンドリックスを擁するホワイトソックスにとって、キンブレルは必ずしも必要な戦力ではなく、今回のオプション行使がトレード放出を見据えたものであることは間違いない。3試合で防御率9.00に終わったポストシーズンも含め、ホワイトソックス移籍後の成績悪化を他球団がどう評価するかがトレード成立のポイントとなりそうだ。

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