ドジャースがケリーのオプションを破棄 双方が再契約に興味

ドジャースはリリーフ右腕ジョー・ケリーの来季の契約オプション(年俸1200万ドル)を破棄した。ケリーはバイアウトの400万ドルを受け取ってFAとなる。ただし、ドジャースとケリーの双方が再契約に興味を示しているという。ケリーが受け取るバイアウト400万ドルは来季の年俸総額に含まれないため、これはぜいたく税対策の動きとも言える。あくまでも一例だが、ドジャースがケリーと年俸800万ドルで再契約した場合、ケリーはバイアウト400万ドルとの合計でオプション行使の場合と同じ1200万ドルを得ることができる。

現在33歳のケリーはドジャース3年目の今季、48試合に登板して44イニングを投げ、2勝0敗2セーブ、13ホールド、防御率2.86、50奪三振をマーク。昨オフの右肩の手術で出遅れたため、登板試合数は控えめだったが、安定したピッチングで球団史上最多タイの106勝を記録したチームの快進撃に貢献した。

ポストシーズンではブレーブスとのリーグ優勝決定シリーズ第5戦にオープナーとして先発した際、右上腕二頭筋を負傷。当初は重傷であることが報じられていたが、検査の結果、ドジャースが恐れていたほどの重傷ではないことが判明している。今のところ、万全の状態で来春のスプリング・トレーニングを迎えられる見込みだ。

ドジャースは今オフ、クレイトン・カーショウ、コリー・シーガー、クリス・テイラー、ケンリー・ジャンセン、マックス・シャーザー、アルバート・プーホルスなど多くの主力選手がFAとなり、来季に向けて「取捨選択」を迫られている。高額年俸のトレバー・バウアーがオプトアウトせず残留することを選択したため、FAに使える予算に余裕があるわけではなく、誰を残し、誰と別れるかを選択しなければならない。

そうした状況のなか、ケリーのオプションを破棄したうえで再契約を目指すのは、年俸総額を少しでも削減するためのフロントオフィスの「知恵」と言える。カーショウ、シーガー、シャーザーらの去就が注目される今オフだが、ドジャースのフロントオフィスの手腕に注目だ。

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