【全日本大学駅伝】“3代目山の神”神野大地が緊急分析 駒大の「強さ」と青学大の「課題」

両校を徹底分析した神野(東スポWeb)

次なるライバル決戦の行方は――。全日本大学駅伝(7日、名古屋・熱田神宮~三重・伊勢神宮間、8区間106・8キロ)は、駒大が5時間12分58秒で2年連続14度目の優勝。2位の青学大はわずか8秒差に泣いたが、約2か月後には箱根駅伝を控えている。本紙の取材に応じた〝3代目山の神〟こと神野大地(28=セルソース)が両校を徹底分析。駒大の強さと、母校・青学大の課題に迫った。

狙い通りの展開だった。駒大は7区のエース・田沢廉(3年)が区間賞の快走でトップに立つと、8区の花尾恭輔(2年)は、青学大の主将・飯田貴之(4年)に8キロ過ぎで並ばれるも「ラストスパートになったら勝てる自信はあった」と最後の2キロで引き離した。大八木弘明監督は「選手たちを褒めたい」と声を弾ませながらも「当然、箱根は勝ちにいく」と気持ちを切り替えた。

鈴木芽吹(2年)など複数の主力を欠いた中での勝利に、神野は「後半勝負になったらいけるというオーダーだった。大八木監督の区間配置の戦略勝ちだった」と絶賛。「これで主力が戻ってきたら、箱根の優勝も近づいてくる。箱根に向けても今大会の優勝は大きい」と期待を寄せた。

今大会のレースで選手層の厚さを見せた駒大は箱根駅伝でも優勝候補の本命。とはいえ、青学大もこのままで終わるつもりはない。神野が「区間順位だけ見ると、たぶん普通に走れば青学大が勝っていた」と話すように、2区と6区でブレーキがあったものの、戦力では駒大に引けを取らない。

では、敗因はどこにあるのか。母校の黄金世代を知る神野は「僕の考えですが」と前置きした上で「僕らの時はまだ優勝を経験していなかったので、いい練習ができたら、チーム全体で『もしかしたら(優勝も)いけるかもしれない』というような感じだった。でも優勝を経験してしまうと原(晋)監督も選手たちも『優勝した時はこれくらいの練習をして優勝できたから』みたいな感じで〝ペーパー上〟で求めすぎているのではと感じる」と指摘。優勝経験校ならではの難しさがあるとの見方を示した。

ただ、その壁を乗り越えてこそ〝令和の常勝軍団〟になることができる。神野は「チーム戦力は青学が一番強いと感じた。絶対優勝しないといけないというプレッシャーをかけ過ぎずに、箱根駅伝はすごい楽しい舞台なので、当日は楽しくワクワクの気持ちを持って走ってほしい」とエールを送った。

箱根駅伝まで残された時間は約2か月。原監督は「デコボコ駅伝がないように」と決意を新たにした。果たして箱根路を制するのは、どちらの大学か。

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