年俸総額削減方針のレッズ エース右腕・カスティーヨの放出を検討か

レッズのニック・クロールGMは「ペイロールをリソースに合わせなければならない」と語り、ライセル・イグレシアスらを放出した昨オフに続き、今オフも年俸総額の削減に動くことを示唆している。オプトアウト(契約破棄)の権利を行使したニック・カステヤーノスにはクオリファイング・オファーを提示したが、拒否されたことが報じられており、おそらく再契約を結ぶだけの資金は用意できないだろう。さらなる年俸総額削減のためにエース右腕のルイス・カスティーヨのトレード放出が検討される可能性もあるようだ。

現在28歳のカスティーヨは、2019年に15勝8敗、防御率3.40、226奪三振の好成績を残し、オールスター・ゲーム初選出。短縮シーズンの昨季は打線の援護に恵まれず、4勝6敗と負け越したものの、規定投球回以上のシーズンでは自己ベストとなる防御率3.21と安定したピッチングを見せた。年俸調停権を獲得した昨オフからトレードの可能性が盛んに報じられるようになり、昨オフには「ヤンキース移籍が決定」と誤報が流れたことも。しかし、レッズはカスティーヨを安売りすることなく、現在に至るまでキープし続けている。

今季は33試合に先発して187回2/3を投げ、8勝16敗、防御率3.98、192奪三振と今一つの成績に終わったが、5月末の時点で1勝8敗、防御率7.22という最悪のスタートを切ったにもかかわらず、6月以降は7勝8敗ながら防御率2.73と完全復調。エース級のポテンシャルを持っていることを改めて証明してみせた。年俸調停期間2年目の来季は今季の420万ドルからさらに年俸が上昇することになるが、FA市場でエース級の投手を獲得するのと比較すれば格安。FAまで残り2年保有できるため、人気物件となるのは間違いない。

12勝&ノーヒッター左腕のウェイド・マイリーをウエーバーでカブスへ放出し、カステヤーノスの退団も決定的になるなど、戦力ダウンが止まらないレッズ。新人王候補のジョナサン・インディアや今季チーム最多の13勝を挙げたタイラー・マーリーといった若手が順調に成長しているのは明るい材料だが、「ペイロールをリソースに合わせる」ためにエース右腕も放出してしまうのだろうか。

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