年間最優秀エグゼクティブはジャイアンツ・ザイディ編成本部長が受賞

球団新記録かつ今季メジャー最多の107勝をマークしたジャイアンツは今季最大のサプライズチームとなったが、そのチームを作り上げた功績を称え、ファーハン・ザイディ編成本部長が年間最優秀エグゼクティブに選出された。投票はポストシーズン開始前に行われ、日本時間11月9日に毎年恒例のGM会議の場で受賞者が発表された。ザイディは編成本部長としてジャイアンツに加わってから今季が3年目のシーズン。2位はレイズのエリック・ニアンダー編成本部長、3位はブリュワーズのデービッド・スターンズ編成本部長だった。

ザイディは大学時代に『マネーボール』を読んで大きな感銘を受け、セイバーメトリクスを担当するデータ分析補佐官としてアスレチックスに加入。ビリー・ビーンの下で様々なことを学び、2013年に野球運営部門のディレクター、2014年にはGM補佐の肩書も加えられた。

2015年からはドジャースの編成本部長に就任したアンドリュー・フリードマンの下でGMを務め、ドジャースに在籍した4年間すべて地区優勝しただけでなく、2度のワールドシリーズ進出を経験。2019年からはドジャースのライバル球団であるジャイアンツで編成本部長を務めている。

今回の受賞に際し、ザイディは「同僚からこのような賞に選出されるのは本当に素晴らしいことです。(アスレチックス時代に)ビリー・ビーンとデービッド・フォーストがスタートを切らせてくれたことに本当に感謝しています」とコメント。シーズン107勝は1986年にメッツが108勝を記録して以降ではナ・リーグ最多であり、すべての月で勝率6割以上をマークするのはナ・リーグでは1942年ドジャース以来79年ぶりだった。

ケビン・ゴーズマンとの再契約(クオリファイング・オファー受諾)のほか、アンソニー・ディスクラファーニ、アレックス・ウッド、ジェイク・マギーといった補強がことごとく的中し、リーグ2位のチーム防御率3.24を記録(救援防御率2.99はメジャー1位)。打線もトミー・ラステラ、ラモンテ・ウェイドJr.、クリス・ブライアントといった選手が渋い活躍でチームの快進撃に貢献した。

年間最優秀エグゼクティブの表彰は今回が4度目。2018年にアスレチックスのビーン球団副社長が初代受賞者となり、2019年はレイズのニアンダー編成本部長、2020年はドジャースのフリードマン編成本部長が受賞した。

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