「長崎市、再訪したい」43% リピーター獲得が課題

 長崎国際観光コンベンション協会が国内の旅行者千人に実施したブランド調査によると、長崎市への訪問経験は5割を超えたものの、「再訪問したい」と答えた人は半分以下だった。同市をイメージさせるものは「カステラ」「ちゃんぽん」という定番に混じって、佐世保市の「ハウステンボス(HTB)」が上位に入り、事実誤認が広まっていた。
 観光客誘致のかじ取りを担う同協会DMO(観光まちづくり法人)推進局が6月、3年以内に国内宿泊旅行をした全国の千人を対象にインターネットで初めて調査した。
 長崎市の認知度は92.8%と高く、「行ったことがある」も52.4%に達した。ところが「再び行ってみたい」は43.4%にとどまった。再訪の意向がない理由(選択肢、複数回答)としては「距離が遠すぎる」が圧倒的に多く、「見るべきところがなさそう」「費用が高そう」「のんびりくつろげる観光地ではなさそう」が続いた。同市は観光資源の豊富さが特長だが、それが浸透していない実態が浮き彫りになった。
 同市のイメージを三つまで自由記述で尋ねたところ、カステラ(266人)、ちゃんぽん(249人)に匹敵するほどHTB(236人)が目立った。以下「坂」「グラバー」「原爆」「出島」「平和」「中華街」「夜景」が挙がった。

 新型コロナウイルス禍が落ち着いたら行きたい場所を13都市・地域の中から複数回答で選んでもらうと、長崎市は12番目。トップ3は京都市、北海道小樽市、金沢市。九州では4番目の福岡市、11番目の鹿児島市に及ばなかった。
 昨年実施された別の調査では、長崎市を訪れたことがある人のうち訪問時期を「7年以上前」としたのが6割超だった。同協会DMO推進局はこれも踏まえ、多くの人が修学旅行で訪れて以降、リピーターになっていないと分析。「課題を可視化できた。旅のニーズが、観光施設訪問から滞在して知的好奇心や自己実現を得る方向にシフトしており、滞在してこそ分かる長崎の良さをプロモーションしていく必要がある」としている。

© 株式会社長崎新聞社