被爆体験者救済に向け県市要請は「前進」 長崎、9の日座り込み

山内団長(左)の話を聞く参加者=長崎市、平和公園

 核兵器廃絶と世界平和を訴える「反核9の日座り込み」が9日、長崎市松山町の平和公園であった。国指定の被爆地域外で長崎原爆に遭った「被爆体験者」らについて、被爆者認定し救済対象とするよう県と市が厚生労働省に要請したことを受け、被爆体験者訴訟第2陣原告の山内武団長は「(救済に向けて)一歩前進した」と希望をつなぎ、早期救済を求めた。
 広島原爆の「黒い雨」訴訟では国が上告せず、原告全員を被爆者と認定。首相談話では原告と「同じような事情」にある人の認定や救済を早急に検討するとした。これを踏まえ県市の担当者は5日、厚労省に出向き、要請書を提出した。
 山内団長は、県市がそろって要望したことを評価しつつ、「早く解決しなければ(救済されずに亡くなる)人がでてきている」と強調。「体験者を全員被爆者と認めてもらいたい」と話した。
 座り込みは県平和運動センターなどが主催し471回目。市民ら約90人が参加した。

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