「平和守り続ける」児童らが誓い 長崎・山里小で祈念式

「あの子らの碑」に献水する児童=長崎市、山里小

 長崎原爆で約1300人の児童や教職員らが犠牲になった長崎市橋口町の市立山里小(山崎直人校長、626人)で2日、平和祈念式があった。児童らは犠牲者の冥福を祈り、「平和を守り続ける」と誓った。
 同校では1949年、長崎で被爆した医師の故・永井隆博士の発案で、原爆で犠牲になった児童らを慰霊する「あの子らの碑」が建立された。祈念式は、碑の除幕式があった同年11月3日に合わせて毎年開き、72回目。昨年に引き続き、新型コロナウイルス感染防止のため、5、6年生が碑の前に集まり、他学年は教室で式の中継映像を視聴した。
 児童代表らが碑に献水や献花をし、手作りの花輪をささげた。被爆当時8歳で、山里国民学校の2年生だった榊安彦さん(84)=同市泉1丁目=が体験を語り、後輩にあたる児童らに「戦争や原爆が何をもたらしたかを知り、これからの人生に生かしてほしい」と願いを語った。
 代表して作文を発表した6年の宮本愛子(あこ)さん(12)は「長崎に住む身として平和を築いていきたい」と決意。児童らは永井博士が作詞した「あの子」を合唱し、「永井博士の願いを受け継ぎ、平和の大切さを学んでいく」と誓いを述べた。

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