〈動画あり〉中川新上越市長が会見 分野担当で副市長4人 コロナ・災害・人事に力

 上越市の中川幹太新市長(46)が9日に就任し、記者会見に臨んだ。直面するコロナ対策や災害対策と並行し、早急に人事改革に着手する意向で、注目される副市長人事は担当制の4人とし、順次任命していく考えを明らかにした。また、政策協定を結んだ宮越馨市議(80)については私的なアドバイザーの役割を考えているとした。

 (冒頭の所感と質問の回答から)市民の皆さまのおかげで上越市長という重責の下、ここに立たせていただいている。5年前に市議を辞める時に、市民が帰ってきたくなるような、すてきなまちにしなければいけないと決意し、市長選に立候補し、取り組みを続けてきた。もともと私は関西(育ち)の人間であり、この土地に20年前に来て、上越の魅力を肌身で感じながら生きてきた。よそから見た視点でないと良さは分からない。市民に広く広報していきたい。

記者会見に臨む中川新市長

 コロナ感染予防と経済対策、災害緊急対策、人事改革の三つの取り組みから着手していきたい。それぞれ12月議会、新年度予算で具体化したい。副市長人事は12月議会でまず2人、(来年の)3月議会でもう2人を提案する。また、民間から知恵のある方に諮問委員会に入っていただく。明日(10日)以降、各部局から現状や課題の説明を受け、今まで掲げた公約と合わせながら、より現実に近いものに変えていきたい。

 政策協定を結んだ宮越さんは私のアドバイザーの役割を果たしていただきたい。非常に多様な人脈をお持ちで、ある意味、どういうふうに動かれるか心配する方もいる。当面、副市長のような権力ある場所には付けず、私の範囲内で、職員に影響がないようにしたい。きちっと役職を検討したい。

 ―市長就任に当たり、抱負や決意は。

 市民が幸せになれる改革を早めに進めていきたい。現場の事情をよく見据えて土台づくりをして、砂上の楼閣にならないように職員と協力して、対話をしながら改革を進めていきたい。

 ―人事改革のポイントは。

 3年ぐらいで異動となると、市の職員の専門性も上がってこない。生きがいを持って目標を達成できるような人事をしていかなければ、市民も幸せになれない。人事改革プロジェクトを立ち上げて、具体的なことは時間をかけて進めていきたいが、幹部は早急に決めて中川陣営をつくっていきたい。

 ―副市長はなぜ4人か、分野で分ける考えか。

 通常の2人では行政側の政治色が少な過ぎると考えている。実行力のある方から副市長に就いていただき、基本的には副市長が陣頭指揮を執って、事業を推進していく形にしたい。4人の方と共に公約に掲げた柱の部分を実行していく。担当はそれぞれ自治・防災、健康づくり、歴史・文化・芸術を生かした通年観光と産業起こし、それ以外の分野。

 ―諮問委員会の内容と人数は。

 一つは常設の委員会、常に市政についてご意見を頂く。もう一つは必要に応じた専門委員会。2段階でつくろうと。常設の委員は3~4人を予定し、できるだけ早めに固めていきたい。

 ―上越の課題は何と捉えているか。

 人口減少と今はコロナ対策になってくる。そこに向けてやっていく。人事改革も大切。職員が実績を示した時に昇進できるような仕組みに、そのために市職員の専門性を上げたい。庁内に人事改革プロジェクトをつくり、検討したい。

 ―自治制度の改革はどう考えているか。

 できれば自治の中でモデルになるような事業が出てくることを期待している。職員と相談しながら、より実効性のある自治制度としたい。最低1年以上はかかる。来年度は準備期間になる。

 ―市の目指す姿、キャッチコピーは。

 明るく楽しく前向きに進んでいける上越市にしたい。

 ―村山秀幸前市長が推進した行財政改革はどう進めるか。

 市の財政は将来的に厳しくなっていくことは目に見えている。必要最低限のものに絞っていくことはやらざるを得ない。ただ、やり方の内容は村山さんと少し違うところが出てくる。具体的には3月議会の予算編成の時に話をしたい。

 ―市議会との関係は。

 公約で掲げたことを実現しようと思っているので、その前提で議論を進めていければ。あくまで上越市の発展を目指している。ご協力いただける方を増やしていきたい。

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