韓国紙「中国が尿素水を我が国への圧迫カードに」 中国紙「西側で対抗なら自ら害を及ぼすだろう」

中国の尿素輸出規制により尿素水不足パニックが広がる韓国だが、中国内で尿素水を韓国への圧迫手段として使用しなければならないという主張が浮上している。背景には、半導体情報を韓国企業が米政府に提供したことへの怒りがあるようだ。

参考記事:中国紙「韓国の尿素不足は自業自得、中国と何の関係があるのか?」「日本の輸出規制に学ばず」

中国環球網など現地メディアは9日、韓国の尿素水不足事態について相次いで報じ、「中国が石炭価格上昇と電力難問題で尿素輸出制御を強化し、中国輸入に完全に依存してきた韓国で尿素水の乱れが発生した」と伝えた。

一部の官営メディアは韓国の尿素水事態を中国が積極的に活用しなければならないという主張を掲げている。中国共産党機関紙の人民日報系列メディアある「人民自身」は8日、尿素水事態に言及し「韓国や米国が世界のサプライチェーンで中国が有する重要な地位をより明確に認識しなければならない」と主張した。それとともに「もし西側諸国が執拗に(中国に対する)対抗を追求するなら、必ず自らに害を及ぼすことになるだろう」と指摘した。

韓国のサムスン電子とSKハイニクスは、米政府の強い求めに応じ、半導体のサプライチェーン情報を最近提供したと伝えられている。米政府の情報要求の背景には、中国への半導体包囲網構築の狙いもあるとみられ、中国側がこれを不快に思っている可能性が高い。

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一方で中国外交部は国内メディアとの質疑で「中国は韓国側の(尿素)需要を重視し、解決のために韓国と積極的に交渉している」とし「中国が尿素など検査制度を施行する輸出入商品のリストを調整したのは管理を強化するために必要な措置であり、特定の国家を狙ったものではない」と説明している。

しかし、中国国営の成都テレビが運営するインターネットメディア「神鳥知訊」は9日、韓国が尿素の備蓄を怠っていることを挙げ、「韓国が特定分野の危機を経験するのは自業自得であり、中国と何の関係があるのか」と批判的な報道を行っている。

官営メディアのグローバルタイムズも、サムスン電子、SKハイニックスなど韓国企業が米国政府に半導体取引情報を提供したというニュースを伝え、「米国の略奪的行為に中国企業は法的に対応する準備を整えなければならない」と主張した。同紙は業界関係者を引用し、「サムスン電子はファーウェイをはじめとする中国の主要企業と取引関係を結んでいる」としつつ、「米国が求めた情報はほとんど営業秘密に属し、中国企業に対する情報も相当数含まれている」と懸念した。そして「被害を受けた中国企業は反外国制裁法などを活用して法的対応する可能性がある」と伝えた。

韓国メディアでは、これら状況から、「中国が尿素水を圧迫カードードとして活用する可能性がある」の見方を示している。

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