ソフトバンク・小久保二軍監督 リチャードの爆笑エピソード明かす「なかなかの大物ですね」

小久保二軍監督(右)から指導をうけるリチャード(東スポWeb)

ソフトバンク・小久保裕紀二軍監督(50)が宮崎秋季キャンプ(生目の杜運動公園)の11日、採れたてホヤホヤの爆笑エピソードを明かした。

この日は期待の大砲候補・リチャード内野手(22)を熱血指導。今季終盤に一軍昇格して7本塁打と、Bクラスに転落した常勝軍団に希望の光を灯した右の長距離砲への大きな期待の表れだった。「来年はシーズン始まったら『俺の顔を絶対見るな』と言いたい」と、愛のあるメッセージで一軍完走を厳命した。

遠くへ飛ばす生まれ持った才能は「モノが違う」とうらやむほど。常勝軍団の未来を担える逸材だけに、とりわけ気になる存在だ。この日はロングティーを行うリチャードをさまざまな角度から見守り、ボールケース3箱が殻になるまで熱視線を送り続けた。

沖縄出身の気の優しい高卒4年目の22歳。一流の野球人になるためには、人間的成長も必要と見ている。この秋、小久保二軍監督はリチャードと「約束事を3つした」という。「人よりも早く動くこと。メモを取ること。全力疾走を(現役を)辞めるまで続けること」。これを毎日コツコツ言い続けているという。

だが、前日10日のこと。指名制のミーティングにリチャードは参加日を間違えて集合。「昨日は呼んでもないミーティングに遅れてきて、メモも持ってこなかった。今日来るはずだったのに、昨日来て。お前呼んでないって…」と笑った。かねて「二軍は人間教育の場でもある」と言う小久保二軍監督。「これで見捨てちゃダメなんです。同じことをずっと言い続けないといけないんです」。終始笑顔でほほ笑ましいエピソードを明かし「あれはなかなかの大物ですね。根比べです」と暖かいまなざしを向けた。

性格も成長スピードも人それぞれ。愛嬌あるスラッガ候補ーを根気強く見守り、一流への道筋をつけるつもりだ。

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