エンゼルスの補強ターゲットにレイら有力な先発投手が次々に浮上

先発投手を最優先の補強ターゲットとすることが毎年の恒例行事のようになりつつあるエンゼルス。すでにロビー・レイやエドゥアルド・ロドリゲス、スティーブン・マッツらの名前が獲得候補に浮上しているが、「ジ・アスレチック」のケン・ローゼンタール記者によると、エンゼルスはマーカス・ストローマン、ノア・シンダーガード、アレックス・ウッドらの獲得も検討しているようだ。また、マックス・シャーザーやジャスティン・バーランダーの獲得に動く可能性もあるという。

名前が挙がった8投手のうち、レイ、ロドリゲス、シンダーガード、バーランダーの4人は年俸1840万ドルのクオリファイング・オファーの提示を受けており、彼らがそれを拒否してFA市場に出てきた場合、エンゼルスはこれらの投手を獲得すると、来年のドラフトにおいて指名権の喪失が発生する。ドラフト指名権の喪失を避けたいのであれば、マッツ、ストローマン、ウッド、シャーザーの4人のほうが優先順位は高くなるだろう。

メジャーリーグ公式サイトのマーク・フェインサンド記者によると、マイク・トラウトはシャーザー獲得を希望。球団に対して働きかけを行っていると言われている。ただし、シャーザーはドジャース残留が最有力とみられ、4000万ドル近い高額年俸が必要と予想されていることを考えても、すでに複数の超大型契約を抱えているエンゼルスにシャーザーの獲得資金を用意できるかは微妙なところだ。

「Cot’s Baseball Contracts」によると、エンゼルスの現時点のペイロールは約1億3000万ドル。今季と同等のペイロールを維持すると仮定した場合、5000万ドルほどの余裕がある。ただし、ライセル・イグレシアスとの再契約を目指しているとの報道もあり、そのイグレシアスは「MLBトレード・ルーマーズ」に4年5600万ドルの契約を得ると予想されている。ペリー・ミナシアンGMは先発投手を2~3人獲得する意向を示しているが、大物先発投手を複数獲得するほどの余裕はなさそうだ。

先発投手のグレードアップに意欲を見せるエンゼルスだが、補強に使える資金に対して補強ポイントが多すぎるのが実情。最終的にはホゼ・キンターナとアレックス・カッブを獲得した2020年オフ、ディラン・バンディとフリオ・テーランを獲得した2019年オフに近いレベルの先発投手補強にとどまる可能性もゼロではないだろう。

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