負けなかった。ヤクルトは引き分けで2015年以来、6年ぶりの日本シリーズ進出を決めた。優勝チームのアドバンテージを含めて3勝1分け。3位・巨人に1敗もせずに〝ストレート〟で勝ち上がった。
リーグ優勝を決めたのは横浜スタジアムだった。本拠地・神宮球場のファンの前で5度、宙を舞った高津監督は「ぜひ神宮で胴上げしてもらいたいなと(思っていた)。念願かないました」と満面の笑みを浮かべた。
初戦から2試合連続で零封勝ち。そして第3戦は序盤リードを許しながらも終盤に鮮やかに逆転。その後に追いつかれたものの、結果だけ見れば巨人を圧倒した。
それでも指揮官は「短期決戦で、すごく難しい戦いだった。非常にプレッシャーもあった」と振り返る。
「思った以上にといったら選手に失礼ですけれども」と前置きした上で「自分、チームの力を十分に発揮してくれて、すごくいい戦いができたと思っています」とナインを称えた。
シーズン中も決して楽な戦いではなかった。開幕で阪神に3連敗した。そこから少しずつ持ち直した。苦しみながらも一歩ずつ前に進み、首位に立ったのは9月22日だった。
「絶対、大丈夫」を合言葉に最後の最後まであきらめずに戦い、9月26日に優勝。リーグ覇者としてCSではファイナルまで待ち受ける立場だったが、挑戦者の立場で臨んだ。
高津監督は「すごく特殊な短期決戦だったので、最初に初戦を取ることがすごく大事だと思いました」とし「1つ(星を)取られてしまうと、その流れというのが相手に渡ってしまうと思った」と気を抜かなかった。
日本シリーズの相手はヤクルトが最後に日本一に輝いた時の相手、2001年の近鉄の流れを受けるオリックス。セ・リーグの代表として臨む大一番を前に神宮球場のファンの前で語った「必ず日本一になります」の言葉を実現すべく、最後の大舞台へと向かう。