寺で楽しむ歌とダンス 長崎・教宗寺でイベント コロナ禍にいのち考える

寺の本堂で歌やダンスを楽しむ出演者と参加者=長崎市矢上町、教宗寺

 コロナ禍だからこそ人と人のつながりを大切にしようと長崎市矢上町の教宗寺で7日、音楽イベント「寺スハウス~音楽で照らす僕らの居場所~」があった。県内の音楽グループやDJなど12組が出演し、手作り雑貨や飲食店8店も出店。訪れた約400人が歌やダンスを楽しみながら交流した。
 ボイスパフォーマーなどとして活躍する諫早市の松尾直哉さん(29)ら20~30代の若者でつくる実行委が初めて企画。寺の明かりが「照らす」、「テラス」のようなくつろぎの空間で、「たくさんのつながりがあって今ここに生きている」ことを感じてもらうのが狙い。メンバーがそれぞれ教宗寺と縁があったことから会場に選んだ。
 高島のレゲエ音楽グループやシンガー・ソングライター、雅楽会など幅広い出演者が寺の本堂に登場し、音楽を通して会場が一体となった。コロナ禍における「いのち」について考えるトークセッションやアカペラ体験会などもあった。
 実行委メンバーで同寺の僧侶の小岱海さん(32)は「コロナで孤立し苦しんでいる人がいる中、『来てもいいんだよ』という居場所が必要。お寺はその役割を担っている」。娘と訪れた長崎市上戸石町の美容師、阿野千亜紀さん(53)は「コロナでイベントが次々となくなり寂しかった。久しぶりのライブは本当に楽しくて、感動して涙が出た」と声を弾ませた。

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