中国代表の〝秘密兵器〟だった広州FCのFWグラールの退団が決定 年俸17億円払えず

建設中の広州FCスタジアム(ロイター)

中国1部広州FCに所属するブラジル出身FWリカルド・グラール(30)が契約を終了し、母国ブラジルに帰国したと、中国メディア「捜狐」が伝えている。

グラールは2015年に広州FC(当時広州恒大)に移籍金21億円で加入。同シーズンにクラブのアジアチャンピオンリーグ制覇に貢献し、アジア年間最優秀選手、中国の年間最優秀選手に輝いた。中国代表入りの要請を受けて、帰化を決意。カタールW杯出場権獲得の切り札として期待されたが、連続5年以上という居住条件を満たしていなかったことから、同代表入りが認められなかった。

同メディアは「中国の多くのチームは経済的要因により、深刻な経済危機に陥り、給与を支払うことができない。クラブの通常の運営を保証することができないまま、現在も活動を続け、破産の危機に瀕している」とし「グラールが今回中国を去った理由の一つは、クラブが彼の給料を払う余裕がないことであり、彼の出発はグラールとクラブにとって実際には良いことですが、無力な動きだ」と伝えている。

すでに広州FCは親会社の恒大集団が巨額債務を抱えていることから今季限りでチームを解散することが確実と報じられている。グラールの年俸は1億元(約17億8000万円)と報じられ、すでに100億円超の収入を手にしているが、ブラジルで再スタートする方針という。

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