最新の「がん検診」を実際に受診してみた、早期発見のための検査は何があって、いくらでできる?

日本人が一生のうちにがんと診断される確率は、男性が65.0%、女性は50.2%です。2人に1人はがんに罹ると言うことです(国立がん研究センター「最新がん統計」)。

では、日本人ががんで死亡する確率は、どのくらいかというと男性26.7%(4人に1人)、女性17.8%(6人に1人)です。
日本人の死亡原因の第1位は「がん」です。

しかし、がんの治療法は、日進月歩で進んでいます。がんにかかったとしても、5年相対生存率は上がっているので、「がん=死」ではなくなってきています。とはいうけれど、やはりがんは怖い……と思っている人も多いでしょう。

がんに備えるのは、がん保険も有効ですが、もっと有効なのが「がん検診」です。筆者は、がんに備えるには、「がん検診」がもっとも有効な方法だと考えています。実際に最新のがん検診も体験をしました。今回は最新の「がん検診」についてお話しをしましょう。


生命保険会社が提供しているがん検診のサービス

今年は、がん保険の新商品が続々と発売されました。その中で、特徴的だったのが、がんの予防に関してのサービスです。

太陽生命の「がん・重大疾病予防保険」は、アミノインデックス検査のサービスがあります(有料)。またSOMPOひまわり生命「健康をサポートするがん保険 勇気のお守り」には、「N-NOSE」や「サリバチェッカー」検査のサービスがあります(有料)。

これらは、がんのリスクを判定するスクリーニング検査です。また、保険の特約サービスとして、PET検査の紹介や予約サービスというのもあります。

がんに備える効果的な方法は「がん検診」

がんになったとき場合の治療費の負担は公的医療保険・高額療養費などがありますので、自己負担というのは、それほど多くはありません。しかし、がん治療のため、仕事をいままで通りに続けられなくなり、収入減になると言うことが多いのです。

収入減に備えるには、「がん保険」はとても有効です。そもそもがんに罹患しなければいいのですが、2人に1人が、がんにかかってしまうと言うことを考えると、それは難しいかも知れません。ならば、できるだけ早期発見をしたいものです。

早期発見ならば、命にかかわると言うことは、あまりありません。がん治療にかかる費用も少なくてすみます。仕事を休んで収入が減るというリスクも少ないはずです。

一般的に行われているがん検診を受けるのは、よいと思いますが、これはある程度、がんが進行しなくては見つけることができない検査です。できれば、できるだけ早期に発見できれば、身体の負担も少なくなると思います。

そこで、PET検査やスクリーニング検査があります。これは初期の段階で見つけることも可能です。ただ公的医療保険の対象外なので全額自己負担になります。

筆者は、何かあったら早く対処したいと思っています。臆病なので最新のがん検診には、つねに積極的に取り組んでいます。筆者が実際に受診した検査を紹介してみます。

どんな検査がある?

■PET検査

がん検診でもっとも有効なのが、PET検査だと言われています。PET検査は、放射性フッ素を付加したブドウ糖を注射して、がん細胞に取り込まれたブドウ糖の分布を見て、がん細胞を発見ことができます。一度の全身の撮影が可能なので、早期発見につながります。

筆者は過去に2回PET検査を受診しました。幸いがんは発見されませんでした。

PET検査では、ブドウ糖が集まりやすい部位では、がん診断が難しいことがあります。判断が難しい部位は、脳、心臓、胃・腸の消化器官、腎臓、膀胱などです。また、炎症を起こしているところです。CTやMRIと組み合わせるとより正確にわかります。ただ問題は、1回の費用が15万円ぐらいかかってしまいます。

■アミノインデックス検査

アミノインデックス検査は、血液中のアミノ酸濃度のバランスでがんのリスクを判定します。

アミノインデックス検査もしたことがあります。近所のアミノインデックス検査をしている病院に予約をとって、採血をして検査をしてももらいました。A、B、Cのランクに別れていてがんの可能性を判定してくれます。もし、がんの可能性が高い場合には、さらに病院で精密検査をしてもらいます。ちなみに私は大丈夫でした。

検査費用は病院によって違いますが、2〜3万円です。

アミノインデックス検査でわかる部位は、胃がん、肺がん、大腸がん、膵臓がん、前立腺がん、乳がん、子宮がん、卵巣がんのリスクを判定できます。

■「N-NOSE(エヌノーズ)」

「N-NOSE(エヌノーズ)」は、尿によるスクリーニング検査です。

筆者は、今年この検査をしました。

「N-NOSE(エヌノーズ)」は、尿で全身のがんがわかるそうです。なんと匂いに敏感な線虫ががんの匂いを検知するというもの。えっ、線虫に尿を嗅がせるの?!とちょっとたじろぎましたが、精度は86%で、自宅で検査ができるというのがいいですね。検査費用も1万2,500円でできるもお手軽です。

判定できるがんは胃がん、大腸がん、肺がん、乳がん、子宮がん、膵臓がん、肝臓がん、前立腺がん、食道がん、卵巣がん、胆管がん、胆のうがん、膀胱がん、腎臓がん、口腔・咽頭がんです。

■「サリバチェッカー」

「サリバチェッカー」は、だ液による、がんのリスク検査です。がん細胞からしみ出す代謝液がだ液に含まれるので、それを分析・解析する検査です。肺がん、膵がん、胃がん、大腸がん、乳がん、口腔がんの6つのがんの判定ができます。

この検査は、まだやったことがありません。来年試してみようと思っている検査です。サリバチェッカーの費用は、医療機関によって違いますが、2〜3万円でできます。

がんに備えるもっとも効果的な方法は「がん検診」

紹介したスクリーニング検査は、がんの可能性を判定する検査です。精度は100%ではありませんが、目安になります。もし可能性が高い場合は、精密検査をすることになります。

PET検査とか人間ドックというのは、費用がかかりますが、がんのリスク判定のスクリーニング検査ですと費用もそれほど大きな負担にならずにできます。1年に1回ぐらいはがん検診を試してみてはいかがでしょうか。

最初に言った通り、がんに備える方法で有効なのは、早期発見です。なにより命の問題でもあります。早期発見のための「がん検診」、なってしまったときの「がん保険」。この二つでしっかりと備えておきたいものです。

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