乗合ワゴン車スタート、坂の多い街の足に 横浜・富岡地区で実証実験、京急や日産が参加

乗合型の交通サービス「とみおかーと」を利用する乗客=横浜市金沢区

 横浜市金沢区の富岡地区で11月、ワゴン車を使った乗合型の交通サービス「とみおかーと」の実証実験が始まった。実用化に向けた最終段階のもので、坂道が多い同地区の住民にバスやタクシー以外の交通手段を提示し、外出を促す狙い。2022年1月31日まで。

 京浜急行電鉄(横浜市西区)と日産自動車(同)、横浜国立大(同市保土ケ谷区)、市の4者が実施。日産のワゴン車を活用する。これまでの実証実験で利用が多かった富岡西2~3丁目(1周約2.7キロメートル)、富岡西4~6丁目(約3.8キロメートル)と京急富岡駅(同市金沢区)をそれぞれ結ぶ2ルートを設けた。

 定員8人で、手を挙げると乗車できる仕組み。運賃は大人200円、小学生100円、未就学児は無料。平日と土曜の午前8時半~午後6時、1日各10便を運行する。

 同地区は急な坂道が多い上、高齢者が多く、駅などへの交通アクセスの向上が課題となっていた。

 10日にサービスを利用した女性(80)は「荷物が多いと、バス停まで移動するのも大変。車が家の近くまで来てくれるから外出がしやすい」と話していた。

© 株式会社神奈川新聞社