巨人再建のカギ握る新助っ人 編成には「走攻守3拍子そろった野手」の〝過酷〟オーダー

新助っ人、トレード補強で再建を目指す原〝全権監督〟(東スポWeb)

果たして反省は生かされるのか――。原辰徳監督(63)が15日、オーナー報告を行い、その席で新たに3年契約を結んだ。V奪還へ再スタートを切ったが、リーグ3連覇を逃し借金1のセ3位に終わった今季は、新助っ人野手3人全員が途中帰国する〝大失敗〟。その苦い経験から新助っ人野手には「走攻守の3拍子」で高いレベルが求められているという。

この日、指揮官は東京・大手町の読売新聞東京本社を訪れ、山口寿一オーナー(64)にシーズン終了報告。会見で「3年という年数をいただき、『頑張ります』ということになりました」と、新たに3年の複数年契約を結んだことを明かした。

さらに「全権というのはよく言われているけど、まあ、意見というものはね、言えるというポジション」と編成にも影響力を持つ〝全権監督〟の継続も認めた。

長期政権は約束されたものの終盤に10連敗を喫するなど、大失速したチーム再建は急務。組閣も発表され一軍は元木大介ヘッド兼オフェンスチーフコーチ(49)、阿部慎之助作戦兼ディフェンスチーフコーチ(42)が指揮官を支え、桑田真澄投手チーフコーチ(53)が投手陣を立て直す。

新たな血も加わった。引退した亀井善行一軍外野守備兼走塁コーチ(39)、小笠原道大二軍打撃コーチ(48)、駒田徳広三軍監督(59)らが新任となり、川相昌弘氏(57)のファーム総監督招へいも発表された。

その一方でオフ恒例のFA補強には「その部分というのは濁すというか、答えない方が僕はいいと思いますね」(原監督)と消極的。補強の大きな幹は新外国人とトレードとなった。

指揮官が「誰が見ても外国人選手はね、オーナーも興味のあるところだし、それは一つ二つ、要求される」と認めたように、助っ人が来季のカギを握る。昨オフの目玉だったメジャー196発スモーク、96発テームズがどちらも途中退団。途中加入のハイネマンまで途中帰国と〝全滅〟だった。右腕サンチェスの退団も決まり、最低でも野手2人に先発1人の3人の新外国人が必要となる。

そんななか、ライバル球団関係者は「巨人の編成には今、上から『走攻守の3拍子がそろった野手』とのオーダーが出ているそうです」と明かす。

「鈍足のスモーク、日本デビュー戦でケガをしたテームズの失敗からでしょう。でもわざわざ日本に来るのは3Aで長打力はあるけど打率が低いとか、走力か守備力に問題がある選手。3拍子そろったメジャーの一線級を獲得するには、複数年契約を提示して50億円以上はかかる。もちろんそんな予算があるわけはないし、現場のプレッシャーは相当だそうです」(前出の関係者)

本拠地最終戦で山口オーナーは「戦力の補強に失敗した。去年からの戦力の上積みが思うようにというか、まったくできていなかった」と敗因を分析。まさになりふり構わぬ大号令とも言えるが、巨人のV奪還は有望外国人獲得の成否にかかってきそうだ。

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