上越市が防災訓練 初動対応 早朝に確認 〝抜き打ち〟的に実施

 上越市は16日、大規模災害発生を想定した初動対応訓練を行った。勤務時間外の早朝に実施し、災害対策本部室や指定避難所開設の流れなどを確認した。

 勤務時間外に大規模災害が発生した場合の初動対応を確認することが主な目的。同日午前5時30分、同市東部を震源とするマグニチュード7の地震が発生、市内全域で震度5弱以上が観測されているという想定で実施した。

 訓練は、災害対策本部連絡員40人など非常参集する職員を除いて事前通知せずに行った。非常参集の職員たちが市役所木田庁舎での災害対策本部開設、同市レインボーセンター(同市中央1)での指定避難所開設などに努め、その他の職員に対してはメールの送受信訓練を実施。メールは約1700人を対象に午前6時に送信し、同8時までの回答率は60%だった。

災害対策本部を開設し、業務に当たる職員たち(16日午前7時25分ごろ、市役所)

◇中川市長が視察と指示

 就任1週間で職員の〝抜き打ち〟訓練を実施した中川幹太市長は訓練を視察し、災害対策本部開設では本部長指示を行った。終了後、報道機関の取材に応じ、「万が一が起こる可能性を考えながら、対応していきたい。とにかく応用力を付けていかなければならない」とし、今後の防災訓練実施に意欲を示した。

指定避難所を視察する中川市長(16日午前8時ごろ、上越市レインボーセンター)

 中澤雅人防災危機管理部長は「例えば(一部の)総合事務所とテレビ会議がつながらなかったり、登庁できない本部連絡員がいたりと、想定の範囲ではあるが、出てきた」と訓練を振り返りつつ、「大事なことは、登庁できなかった場合にどう対応するか。そうした中でどう市民の安全・安心を守っていくかを考える良いきっかけになったと思う」と総括した。

 時間外に職員の非常参集と、本部設置の訓練は7年ぶり。

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