「芹が谷やまゆり園」が完成 開所式開かれる 12月1日から54人利用

完成した芹が谷やまゆり園=16日午前、横浜市港南区

 県立知的障害者施設「芹が谷やまゆり園」(横浜市港南区)の新築工事が完了し、16日に開所式が行われた。5年前に入所者19人が殺害された「津久井やまゆり園」の利用者らも入所予定で、7月に再建した同園と芹が谷に機能を分散させる。施設を小規模化することで、利用者が地域に溶け込んで暮らす「地域移行」を進めていく。

 新施設は、津久井やまゆり園も指定管理する社会福祉法人「かながわ共同会」が運営する。定員66人で、供用開始は12月1日から。隣接する現行の施設に入所している同園の利用者ら54人が移り住む予定で、職員88人が生活を支える。

 開所式で黒岩祐治知事は「ここはついのすみかではなく、地域の仲間の中で暮らすための準備をする場。障害者福祉の新たなスタートの一日としたい」とあいさつした。

 利用者は、職員が意向を確認する「意思決定支援」を経て生活の場を選んだ。家族会の大月和真会長(72)は「事件の影響で津久井で生活できない利用者は芹が谷を選べる。ここがなければ利用者たちは散り散りになっていた」と感謝した。

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