【ボクシング】チューに判定負けの井上岳志 海外メディアは奮闘を評価「勇気を示して戦った」

ティム・チュー(手前奥)とフェースオフを行う井上岳志-(ワールドスポーツジム提供)

完敗でも爪痕は残せたということか。WBOアジアパシフィック・スーパーウエルター級王者でWBO世界同級6位の井上岳志(31=ワールドスポーツ)が、WBO同級グローバル王座戦12回戦(17日、オーストラリア・シドニー)で王者でWBO世界同級1位ティム・チュー(27=オーストラリア)に挑むも判定(3―0)で敗戦した。

世界戦線に一気に浮上できる好機とあって必勝を期して臨んだが、元世界統一スーパーライト級王者のレジェンド、コンスタンチン・チューを父に持ち、高い実力と世界的な知名度を誇る相手に防戦一方。最終12ラウンド(R)にダウンを奪われるなど力の差を見せつけられる結果となった。

それでも海外メディアの中には、12Rまで戦い抜いた井上の奮闘を評価する報道もある。同級の主役の一人と目されるチューの強さや今後の展望を伝えるものが多い中、米メディア「ボクシングシーン・コム」は「井上は回復力と勇気を示して戦い、チューはキャリア初となる12Rまでの戦いを強いられた」と伝えている。また米メディア「ボクシングニュース24/7」は、井上は防御的に戦いすぎたとしつつも「井上のような男をKOするには、チューは今夜のような慎重な戦い方ではだめだ」と逆にチューにダメ出しし、井上が粘り抜いたことを伝えた。完敗となった一戦だったが雄姿は見せたといったところだ。

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