子どもたちが都市芸術家と創作体験 旧七ツ山小活用

絵の具を垂らす作品作りを体験する諸塚村の子どもたち

 芸術が新たなつながりを生み出すプロジェクト「ReArt Ship」が諸塚村で始動した。昨年度閉校した同村七ツ山の七ツ山小を会場に、12月までに3回開催する。子どもたちはオンラインで参加する都市部の芸術家に習い、作品を制作する。完成品は都内にも展示する予定で、芸術による関係人口の創出も目指す。
 ReArt Shipは「Art(芸術)」と「Relationship(つながり)」の造語。都市部と比べて文化活動の選択肢が少ない村の子どもたちに、芸術と触れ合い、夢中になってもらおうと、保護者や村教委でつくる「もろっこサークル実行委員会」が企画した。
 初回の10月30日は村内の小中学生計11人が参加。サッカー選手でアーティストの能登正人さん(31)=東京都=が、アクリル絵の具をキャンバスに垂らす作品を紹介した。子どもたちは色の混ざり方に興味津々。キャンバスを傾けたり手で絵の具を広げたりして作品を仕上げた。
 諸塚小6年の黒木陽斗君(11)は「絵の具を垂らして使ったのは初めて。絵を描くのは苦手だけど、今回はうまくできた」と笑顔だった。11月は教室の床や壁をキャンバスにした作品制作に取り組むという。

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