北京五輪に〝逆風〟… 中国女子テニス選手の性的被害騒動で「こんな国で平和の祭典なんて」

彭帥(ロイター)

女子テニスの彭帥(35=中国)が中国の張高麗元副首相(75)に性的関係を強要されたと告発した問題が2022年北京五輪にまで〝飛び火〟している。

現在、彭は消息不明となっているが、中国の国営メディアは彭が女子テニス協会(WTA)に「性的暴行は事実ではない」と送ったとされるとメールを公表。これに対し、WTAはメールを〝ねつ造〟を疑う声明を発表するなど泥沼化している。

テニス界からはさまざまな声が上がっており、日本の女子エース大坂なおみ(日清食品)は「今の状況にショックを受けています」、男子世界ランキング1位のノバク・ジョコビッチ(セルビア)は「衝撃だ」、リーアム・ブロディ(英国)は「21世紀にこんなことが起こるなんて信じられない」と一様に驚きを隠せない。

一方、中国への批判も日増しに強まっており、国際ジャーナリストのモーリー・ロバートソン氏はツイッターで「人権が普通に蹂躙される国で五輪を開催するのはどうなのか」と疑問視。同様に「こんな国で平和の祭典なんて」「北京五輪はボイコット祭りだ」との声がSNSにあふれている。

現在、米国内が北京五輪へ公式代表団を送らない「外交ボイコット」の報道も出ているが、今回の性的被害騒動で逆風はさらに強まりそうだ。

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