森保ジャパンの「序列主義」に異議アリ 前園真聖氏が激推しする選手とは?

前園氏がプッシュする中島翔哉(東スポWeb)

森保ジャパンの「序列主義」に異議アリだ。日本代表はカタールW杯アジア最終予選で3連勝して2位に浮上する一方、決定力不足は解消されないままだ。元日本代表MFで本紙評論家の前園真聖氏(48)は実力とコンディションを重視した選考を求め、現在クラブで調子を上げつつある〝あの選手〟の登用を進言した。

森保ジャパンは正念場だったベトナム戦とオマーン戦のアウェー2連戦を連勝し、初めてW杯出場圏内のB組2位に浮上。前園氏は「まずは勝ち点6のノルマをクリアしたことは評価できます」と試練の戦いで結果を出したことを評した。ただ、格下相手にともに1―0と決定力不足を露呈するなど問題は山積。今後のチーム改善へ向けて、まず〝あの問題〟に切り込んだ。

「序列も大事だとは思いますが、コンディションが良くて結果を出している選手をどんどん使っていかないといけないと思います。最終予選は試す場ではありませんが、いろんなオプションを用意して実行しなければなりません。それは本大会でも同じです。これから森保監督の手腕が試されます」と指摘する。

森保監督の起用を巡っては以前から序列重視の傾向が指摘されており、今回もFW前田大然(横浜M)ら絶好調の若手がベンチ外となる一方で、負傷明けで状態が疑問視されたFW大迫勇也(神戸)が先発して物議を醸した。今後は序列に固執せず、柔軟に選手を登用して戦術の幅を広げるべきというわけだ。「調子がいい中で呼んで使わないと、選手にとっては精神面での影響もあります」と懸念も示す。

勝ったからいいというわけではなく、攻撃陣の見直しは急務。前園氏が以前からプッシュしてきたMF三笘薫(サンジロワーズ)がオマーン戦で大活躍したが、さらなる攻撃の活性化へ期待を寄せるのがMF中島翔哉(ポルティモネンセ)だ。

「うまくいかない時期もありましたが、現在の代表は最初は彼のチームでした。コンディションが戻り、結果を出し続ければ十分期待できます」。中島は森保ジャパン発足時に10番を背負って大活躍したが、クラブでの問題や大けがなどで苦しんだ。しかし今夏に古巣へ加入して10月末に実戦復帰すると、6日のベレネンセス戦で先発出場して得点をマーク。順調に復調すれば日本の大きな武器になる。

W杯切符の獲得、そして本大会での躍進のためには指揮官にも意識改革が求められそうだ。

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