日本時間11月19日、メジャーリーグのオーナー陣はマイナーリーガーへの住宅提供に関する方針を正式に発表した。来季からマイナーリーグの全ての階級の9割以上の選手に対して家具付きの宿泊施設が提供される(費用はメジャーリーグ球団が負担)。メジャー契約を結んでいる選手や6ケタ(10万ドル以上)の年俸を得る予定の選手など、一部例外はあるものの、基本的にはマイナー全階級やキャンプ施設でプレーしているあいだは球団の負担で家具付きの住宅が提供されることになった。
メジャーリーグでは現在、マイナーリーガーの待遇改善が進められており、今季は給与増、施設の改善、シーズン中の移動距離の削減などが行われた。そして、次のステップとして来季から住宅提供が行われることになる。今季は一部のマイナーリーガーに対して住宅提供が行われていたが、来季から始まる新たなプログラムでは、一部の例外を除いて全選手が対象に。提供される住宅は球場から通勤可能な範囲にあること、選手1人につき1つのベッドが用意されていること、1つの寝室に最大2人までとすること、家具付きであること、光熱費は球団が負担することなど、様々な条件が設けられている(住宅を用意できない場合はホテルの部屋を提供することも可能)。
今季はマイナーリーグの再編が行われ、メジャー球団とマイナー球団の本拠地が近くなったため、メジャー昇格時に長距離移動をする必要がなくなった。最低給与はリーグごとに38~72%アップしており、オフが増え、施設が改善されるなど、選手の健康と成長を促進するための改革も行われた。ここに住宅提供が加わることで、マイナーリーガーのプレー環境はさらに改善され、今まで以上に野球に集中できるようになる効果が期待されている。
メジャーリーグ機構のモーガン・ソード氏は、マイナーリーガーへの住宅提供について「オーナーたちは今回の投資がメジャーリーガーになるというマイナーリーガーたちの夢を実現するためにあらゆる機会を提供することにつながると確信しています」と話している。